空き家を相続した人が知っておくべき5つの問題点とその対処方法

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空き家になっている実家を相続して困っている人が急増中!

過疎化の進んだ地方ばかりでなく都市部でも今、空き家問題が深刻化しています。主な原因は人口減ですが、寿命が延びたことによる介護施設の利用率の増加や、都市部への雇用の一極化などのさまざまな要因が、空き家問題を加速させています。

いっぽう、人口は減少しているにも関わらず世帯数はいまだ増加傾向にあり、空き家問題が本当に深刻化するのはこれからだとも言われています。

そこで本日は、空き家を相続する時にどのような問題があるのか、どういった点に注意すべきなのかを解説していきます。


1章 空き家を相続した場合のつの問題点

誰も住む予定のない家を相続した場合、どのような問題が発生するのでしょうか。発生しうる可能性の高いものをつ挙げてみました。

-1 定期的なメンテナンスなどの維持費がかかる

住宅は、人が住んでいてもいなくても時間の経過とともに劣化していきます。台所や風呂場などの水回りをはじめ、屋根の防水や外壁の塗装などの定期的なメンテナンスは、空き家でも必要となります。

-2 今までの火災保険では加入できなくなる

空き家であってもさまざまなリスクを考えた時、火災保険に加入した方が良いわけですが、人が住んでいた時の火災保険契約をそのまま引き継ぐことは出来ません。

火災保険は建物の用途によって分かれているため、加入できたとしても住宅物件ではなく一般物件扱いになり火災保険料も増えることが想定されます。

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-3 行政代執行により取り壊し費用が請求される場合がある

平成2726日に施行された空き家対策特別措置法により、放置してある空き家が付近や周辺に悪影響を及ぼすと判断された場合、空き家の強制撤去が行いやすくなりました。

もちろんすぐに撤去されるわけではありませんが、最悪の場合行政代執行により空き家の取り壊し費用を請求される場合があります。

行政代執行法第条第1項には、「代執行に要した費用は、国税滞納処分の例により、これを徴収することができる。」と定められており、国税の滞納と同じ扱いになると予想されます。費用の取り立てが厳しいばかりでなく、最悪の場合自己破産しても逃れることが出来なくなる可能性もあります。

 固定資産税が倍になってしまう可能性がある

劣化した空き家をそのまま放置し続け、空き家対策特別措置法により特定空き家に指定された場合、住宅として使われている土地に対する固定資産税の軽減措置から除外されます。

敷地の面積が200㎡以下の場合、固定資産税の支払いは軽減措置により6分の1で済んでいるものが、軽減措置からの除外により固定資産税の支払額が6倍になってしまう可能性があります。

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 人口減少により将来売却等の処分が難しくなる可能性がある

人口減少や住宅需要の落ち込みにより、空き家が資産として処分できない日が来る可能性があります。値段を下げるどころか、ただでも売れない時代が来た場合でも維持費は継続的に必要になります。


2章 まず空き家をどうするかを考える

空き家を相続する場合の注意点を理解すると同時に考えなくてはならないのは、「この空き家を最終的にどうするのか?」です。その場合の判断基準と選択肢を考えてみましょう。

 空き家に「資産価値がある」か「資産価値がない」かの判断をする

相続する空き家に資産価値があるのか、それともないのかをまず考える必要があります。

「親や自分たちが住んでいた思い出が詰まった家だから資産価値に関係なく持っていたい」という場合を除けば、判断を間違えると将来にわたり負債を抱え込んでしまうことになりかねません。

慎重に協議し、場合によっては専門家を交えて総合的に判断することが必要です。

 「資産価値がある」と判断した場合の選択肢は

空き家に「資産価値がある」と判断した場合、その後の選択肢は「売却」「維持管理」「貸す」「住む」のつのどれかになります。

なおそれぞれの詳細については次章でお話しします。

 「資産価値がない」と判断した場合は相続放棄も視野に入れる

残念ながら「資産価値がない」と判断をせざるを得ない場合、相続放棄も視野に入れなくてはなりません。

もし空き家以外の相続財産が将来想定される空き家の維持費より少ないようであれば、相続放棄も考えなくてはなりません。

ただし相続放棄は通常、被相続人が亡くなってからか月以内に手続きを行わないといけません。確実に手続きを完了するためには、弁護士や司法書士などの専門家に依頼した方が良いでしょう。


3章 空き家に「資産価値がある」と判断した場合

それでは、空き家に「資産価値がある」と判断した場合の具体的な選択肢について、検討してみます。

 売却する

まずは最も選ぶ人が多いと思われる「売却する」という選択肢について検討してみます。

 売却した場合のメリット

空き家売却のメリットは、何と言っても現在の価値で空き家を現金化することができる点です。少子化によりこの先大幅に住宅需要が冷え込むことは誰でも容易に予測できます。この先空き家の価値が下がる事はあっても上がる事が見込めない以上、一刻も早く売却して現金化するのが最も合理的です。

また、空き家にし続けるために必要なコストを支払う必要もありませんし、将来的に空き家が負債に化ける恐れもなくなります。

なお売却時には、平成28年度の税制改正で創設された「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」(空き家譲渡特例)により、相続した空き家を売却した場合は売却益から3,000万円までを控除することができます。

 売却した場合のデメリット

売却するデメリットは経済的合理性以外の点です。慣れ親しんだ実家を売るのは忍びないでしょうし、兄弟や親戚同士で集まる場所もなくなってしまいます。

 売却前に注意すべき事

売却前に注意すべき事として、まず空き家を相続したら相続登記を済ませなければなりません。所有権移転登記を済ませなければ、そもそも売却自体ができません。

物件によっては亡くなった人(被相続人)の名義にすらなっていない場合もあるため、確実に登記するためにも登記の専門家である司法書士に依頼することをおすすめします。

遺産分割の方法によっては、相続人一丸となって売却活動をしなければならなくなります。

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司法書士によっては、めんどうな売却の手続きを代行できる事務所もありますので、問い合わせてみるのも一考に値します。

 維持管理する

思い入れのある家だから維持管理しておきたい、もしくは将来孫などが住めるように残しておきたいと思う場合、空き家として維持管理しておくことになります。

 維持管理した場合のメリット

他人の手に渡ることなく思い入れのある家を維持できること、そして将来孫などが住むことにより、家が受け継がれ、また孫も不動産の購入の必要がなくなることなどが挙げられます。

 維持管理した場合のデメリット

空き家として維持管理していくコストがかかり続けます。仮に数十年も空き家として維持管理しておくことになると、固定資産税や火災保険料だけでなく、数々のメンテナンスのためのコストを負担し続けなくてはなりません。

 維持管理する前の注意点

空き家として維持管理する場合も、所有権移転登記が必要です。所有権移転登記自体には期限はありませんが、空き家の所有権を第三者に対して主張できなくなるため、不測の事態を招く恐れがあります。

登記が複雑になる場合も考えると、登記の専門家である司法書士に依頼するのが無難でしょう。

 貸す

空き家に賃貸物件として誰かに貸すことにより、空き家を収益物件にすることができます。

 貸した場合のメリット

ただ放置しておくだけであればコストがかかり続ける空き家でも、賃料が入り収益物件となれば、利益を生み続けてくれます。

 貸した場合のデメリット

まず、空き家で維持するよりも高いコストを支払い、家賃をもらうに値する価値のある不動産の状態を維持しなければなりません。

次に、売却しようと思う時、賃貸物件として誰かに貸している状態である場合、すぐに立ち退いてもらい売却をするという事が出来ません。運良くかなりの値段で買い取ってくれる話があったとしても、そのチャンスを逃す可能性もあります。

 貸す前に注意すべき事

賃貸物件として貸す場合にも、空き家を相続した場合すみやかに所有権移転登記を済ませておく必要があります。不測のトラブルを防ぐためにも、登記の専門家である司法書士に依頼するのが良いでしょう。

 住む

最後に、空き家に住む場合のメリットとデメリットについて検討してみます。

 住んだ場合のメリット

空き家に住むことにより、維持費はかかりますが家賃はかからなくなります。現在家賃を支払って賃貸住宅に住んでいるのであれば、住むという選択肢も決して悪い手ではありません。

 住んだ場合のデメリット

築年数がかなり経過している場合が多いため、想定外の維持費がかかる可能性があります。また将来、大規模修繕やリフォームを行うことを考えた場合、空き家に住まないで別の新築住宅を購入した方が良い場合もあります。

 住む前に注意すべき事

空き家を相続し、自分で住むわけですから当然所有権移転の登記が必要です。所有権の移転登記を済ませておけば、急な状況の変化などにより住宅を売却する場合などにも迅速に対応ができます。

登記は専門性が高いため、余程でない限りは登記の専門家である司法書士に依頼するのが無難でしょう。


章 空き家に「資産価値がない」と判断した場合

空き家に資産価値がないと判断した場合、現実的に選択肢として考えられるのは相続放棄です。

 相続放棄する

相続放棄をする場合、メリットばかりに目が行きがちですが実はデメリットも残ります。また残念ながら、相続放棄をした時点で何もかもが解決するわけではありません。

 相続放棄のメリット

相続放棄をするメリットは、「負債」となってしまった空き家を放棄することにより将来発生するかもしれないさまざまなリスクや維持費の負担がなくなる点にあります。

  相続放棄のデメリット

空き家だけを相続放棄することはできません。預貯金や他の不動産などの遺産があったとしても、それらも同時に放棄することになります。

相続財産の大半が不動産である場合がほとんどですが、預貯金が全くないというケースはまずありません。そのため、相続放棄という判断を下すのは大変難しいと言えます。

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 相続放棄で全てが解決するわけではない

相続放棄さえしてしまえば、空き家と完全に縁が切れる印象をお持ちの方が多いでしょう。しかしながら相続放棄をした瞬間から、相続財産(空き家)にまつわる問題から完全に免責されるわけではありません。

民法940条には「相続放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」と定められており、相続放棄をした途端に相続財産から無関係というわけにはいきません。

空き家の管理責任は、相続放棄後も続く可能性はあり、廃墟同然の空き家を放置しておくことで近隣に何らかの被害を与えてしまった場合には、管理義務を引き続き負う相続人が損害賠償責任を負う可能性は残ります。

相続財産管理人が管理を開始するまでは、空き家の管理義務自体は所有者に残るのです。こういったリスクを避けるためには、相続放棄の後、すみやかに相続財産管理人の選任までを行っておく必要があります。

 相続放棄の相談は早めに

相続放棄は原則、相続開始後か月以内です。その間の手続きやその後の相続財産管理人の選任なども含め、できるだけ早く弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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章 空き家の相続税対策

次は具体的に、空き家を相続する場合の相続税対策としてどのような方法があるのかを検討してみます。

 相続がまだ発生していない場合

まだ空き家の相続が発生していない場合、将来の相続税対策として有効な方法が以下の2つです。

 賃貸に出して小規模宅地の特例を受ける

現在空き家の物件を、相続がまだ発生していない段階でできる相続税対策としてはまず、空き家を賃貸に出して小規模宅地等の特例を適用することがあげられます。

小規模宅地等の特例は、被相続人が生前居住していた住宅の土地だけでなく、保有していた賃貸物件にも適用することができ、相続人が賃貸を継続すれば200㎡までの土地の相続税評価額を50%減額することができます。

ただし、賃貸物件に対する小規模宅地の特例は、相続開始までに年以上賃貸を継続していなければ適用されないため、貸し出してから年経たずに亡くなった場合には小規模宅地等の特例は適用できません。

 生前に売却して3,000万円の特別控除の特例を受ける

利用価値の低い空き家を相続することで相続税が課税されるのを防ぐために、相続発生前に売却して相続財産を減らすことにより、相続税対策を行います。

介護施設への入居などにより自宅が空き家になり売却する場合は、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が利用できるため、売却した譲渡所得(売却益)から3,000万円までを控除することができます。

ただし、売却した家が相続税評価額よりも高い値段で売れた場合、かえって相続財産が増えるため、相続税対策にならないケースも考えられます。そのため、売却前には入念なシミュレーションが必要となります。

 相続が発生している場合

空き家の所有者がすでに亡くなり、空き家を相続する場合に考えられる相続税対策は以下の2つです。

  相続税を支払った後、売却して「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」を受ける

空き家の相続税を直接節税する方法ではありませんが、もう既に相続手続き全般が終了し

相続税の納税も終わった後でも有効な節税法です。

相続した空き家を売却し、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」(空き家譲渡

特例)を利用して譲渡所得(売却益)から3,000万円を控除します。

ただしこの特例には適用条件があり、

  • 家屋と土地の両方を相続していること
  • 売却価格が億円以下であること
  • 相続開始から年を経過する年の1231日まで、かつ、平成312019)年1231日までに売却すること
  • 家屋は以下の要件を満たさなくてはならない

    昭和5631日以前に建築された

    区分所有建物登記がされている建物(マンションなど)でない

    相続の直前において被相続人が人で住んでいた

    相続してから売却するまで居住、貸付、事業に使用されていない

    現行の耐震基準に適合するリフォームが行われている

これら全てを満たさなくてはなりません。特に、土地と建物を違う相続人が相続するとこの特例が使えなくなるため、注意が必要です。

 空き家に住んで小規模宅地の特例を受ける

同じく相続が始まってからの対策としては、持ち家のない相続人が空き家に住むことで

小規模宅地等の特例を適用して節税をする方法(いわゆる「家なき子特例」)が考えられま

す。その際には、以下の条件を全て満たさなくてはなりません。

  • 被相続人が生前にその家に住んでいた
  • 被相続人に配偶者や同居の親族がいない
  • 空き家の相続人は、相続開始の年前までに「自己または自己の配偶者」、「親等以内の親族」、「特別の関係がある法人」などが所有する家に住んだことがない
  • 空き家の相続人はその家を過去に所有したことがない
  • 相続した空き家の宅地を相続税の申告期限まで所有する

ただし、家なき子特例を利用して相続税を申告後であれば空き家を売却する事は可能となります。

さてここまで見てきたように、相続発生前でも発生後(もしくは相続税申告後)でも相続税対策をすることは出来ます。これらの条件に当てはまりそうな人は、税理士などの専門家に一度ご相談されることをおすすめします。


章 まとめ

空き家の相続問題は、これから本格的に増えてくることは間違いありません。少子化による住宅需要の冷え込みから長期間にわたる地価の下落が予想されます。

第一選択肢として「売却」を選ぶのが一番現実的ではありますが、場合によっては相続税がかえって増えてしまうケースや、特例が受けられなくなるケースが考えられます。

相続税や譲渡所得税の特例は適用期間が短いものが多く、また毎年変わるものもあるため、空き家の相続問題に本格的に取り組む際には税理士や司法書士などの専門家に相談されることをおすすめします。

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