「遺贈」と「死因贈与」の違いとベストな選択パターン【比較表付】

遺贈 死因贈与 アイキャッチ

「遺贈」と「死因贈与」って何がどう違うの?

この2つはとてもよく似た制度なので、違いがよくわからないと思われるのは当然です。

しかし、税金の取り扱いなど、いくつか重要な違いがあるため、正しい知識を持っておく必要があります。

私は司法書士として、累計数百件の相続案件に携わらせていただいておりますが、「死因贈与」を活用した相続対策を実行したことは、ほとんどありません。

というのも、相続対策を行う際に「死因贈与」が有効となるケースは、かなり限られているのです。

本記事では、遺贈と死因贈与の違いを「比較表」を用いてわかりやすくご紹介し、どちらを選択するのがベストかの基準も合わせてご説明させていただきます。

 


1章 遺贈と死因贈与の違いまとめ【比較表】

遺贈と死因贈与は、どちらも「生前に自分の財産を譲る相手を決めておく制度」です。

譲る相手が、家族に限られない(第三者でもOK)という点も共通しています。

では、遺贈と死因贈与の違いはどこにあるのか、次の比較表で確認してみましょう。

 

遺贈

死因贈与

方法の違い

正しい方法で遺言書を作成しなければならない

口頭でも可能だが、契約書の作成を推奨

一方的な撤回の可否

可能

遺言者の気が変われば自由に撤回できる。

不可能

相手方の同意がなければ撤回できない。

放棄の可否

可能

受贈者の判断で一方的に放棄できる。

不可能

放棄することはできない

税金の取扱い

法定相続人以外の人には「不動産取得税」がかかる可能性がある。

法定相続人以外の人は「登録免許税の軽減」が受けれない可能性がある。

法定相続人でも「不動産取得税」がかかる。

法定相続人でも「登録免許税の軽減」は受けられない。

年齢

15歳以上なら誰でもできる

未成年が行う場合は法定代理人による同意が必要

合意の必要性

不要

財産を譲る相手に内緒にしておくこともできる

必要

財産を譲る相手と合意契約が必要

債務の承継

包括遺贈の場合は債務も承継する

債務の承継はしない

相手に課せられる負担の発生時期

遺言者の死亡後

生前に介護してもらうのと引き換えに遺贈することはできない。

生前の負担も可能

生前に介護してもらうのと引き換えに死因贈与契約することができる。

1-1 遺贈とは

遺贈とは、遺言によって財産を特定の人に受け継がせることです。遺贈の相手は法定相続人であっても、全くの他人であってもかまいませんし、基本的にどのような財産も遺贈できます。

ただし遺贈するときには必ず「遺言書」を作成しなければなりません。

また遺贈には「包括遺贈」「特定遺贈」の2種類があります。

包括遺贈とは、財産を「全部」「割」などと割合的に指定して受け継がせる方法です。

特定遺贈とは、「〇〇の不動産」「〇〇の預貯金」など、個別の財産を指定して受け継がせる方法です。

また「遺言執行者」を定めておくと、遺言執行者が不動産の登記などのさまざまな必要な行為をするので、遺言内容をスムーズに実現できます。

介護やペットの世話などの一定の負担をすることと引換に遺贈する「負担付遺贈」もできます。

遺贈について、詳しくは以下の記事をご参照下さい。


1-2 死因贈与とは

死因贈与とは、生前に贈与者と受贈者が合意して、「贈与者が死亡したときに財産を移転する」内容の贈与契約をすることです。

贈与契約なので、両名が話し合って合意する必要があります。口頭でも契約が成立しますが、トラブル防止のために「贈与契約書」を作成する方が安心です。

死因贈与は基本的に特定財産を目的としますが、包括的な死因贈与も可能です。

ただしその場合でも、受贈者は贈与者の「債務」を承継しません。

死因贈与では、希望する人に希望する財産を残すことができます。
このような性質が遺贈とよく似ているので、法律上も多くの点で遺贈と同じ取扱いを受けます。


2章 遺贈のメリット・デメリットを確認しよう

2-1 遺贈のメリット

遺贈の大きなメリットは、相手(受遺者)の同意がなくてもできることです。

遺言者が単独で遺言書を書けば完了するため、死ぬまで内容を秘密にすることもできます。

2-2 遺贈のデメリット

遺贈は一方的にできる反面、受遺者から放棄される可能性があります。放棄されたら、遺言者の希望を実現することは不可能です。

また遺言には厳格な要式(ルール)があり、少しでも違反したら無効になります。特に遺言者が自分で書く「自筆証書遺言」は無効になりやすいので注意が必要です。

 


3章 死因贈与のメリット・デメリットを確認しよう

3-1 死因贈与のメリット

死因贈与は当事者両名が合意する契約なので、贈与者の死後に一方的に破棄される心配はありません。確実に決めた通りに財産を譲ることが可能です。

また「負担付死因贈与」をしておけば、生前にも負担を求めることができます。たとえば「介護するのと引換に、死後に不動産を譲る」約束などが可能です。

3-2 死因贈与のデメリット

死因贈与は相手の合意が必要なので、一方的に贈与することができません。

また不動産を贈与するとき、不動産取得税がかかりますし登録免許税も軽減されないため、受贈者が法定相続人であっても税金の負担が大きくなります。


4章 【事例別】遺贈・死因贈与のベストな選択基準

以下では、遺贈と死因贈与で迷ったときの選択基準を事例に則してみていきましょう。

4-1 死ぬまで家族に知られたくないときは「遺贈」がベスト

死ぬまで家族に絶対に知られずに財産を残すなら、遺言によって遺贈する方法がお勧めです。

死因贈与と異なり、単独で遺言を作成しておけば良いため、高い秘密性があるからです。

たとえば、愛人や未婚で作った子どもなどがいるけれど認知しておらず、家族にも知らせていないケースがあります。そのようなとき、子どもに連絡をとって死因贈与契約をすると、家族に知られる可能性があるため、秘密性が高い遺贈を検討してみましょう。

4-2 法定相続人に不動産を残すなら「遺贈」がベスト

法定相続人に不動産を残すなら、不動産取得税がかからない遺贈のほうが適切です。

死因贈与の場合、受贈者が法定相続人であっても不動産取得税がかかるため、高額の税負担を強いられることになるからです。

4-3 介護などの負担条件を引換えにしたいときは「死因贈与」がベスト

遺贈では亡くなった後の負担しか求められませんが、死因贈与なら生きているうちから負担を求めることができるので、生前に負担を求めたいなら死因贈与がベストです。

たとえば、生前に身体の調子が悪くなってきたので子どもや甥姪、その他の人に介護を頼みたいケースがあります。そのような場合には「負担付死因贈与契約」を行い「介護をしてくれたら〇〇の財産を譲る」と約束しましょう。

4-4 遺産を放棄されるかもしれないときは「死因贈与」がベスト

放棄する可能性のある人にも、確実に財産を残したいときは死因贈与がお勧めです。

遺言によって子どもなどに遺産を残しても「田舎の家はいらない」などを理由に放棄されるケースがあります。

そういった場合、生前に子どもとしっかり話し合ってお互いに合意した上で「死因贈与」によって財産を残せば、放棄される心配はありません。


5章 遺贈や死因贈与のベストな相談先の選び方

遺贈や死因贈与をしたいとき、自分一人ではどう判断して良いかわからないことがあります。そんなとき、相談できる専門家をまとめました。

5-1 弁護士

遺贈や死因贈与に関する法律的な理解や方法、違いや向き不向きなどについて相談できます。遺言書や死因贈与契約書を作成してもらうこともできますし、代理人となってトラブルの相手と交渉してもらうことも可能です。

5-2 司法書士

遺贈や死因贈与に関する法律的なアドバイス、書面作成(遺言書、死因贈与契約書)を依頼できます。また遺言や遺贈にもとづく不動産の所有権移転登記も任せることもできます。

5-3 税理士

遺言や死因贈与にかかる税金が心配なとき、どういった税金がどれだけ発生するのか、節税方法など相談できますし、相続税の申告も任せられます。

5-4 何よりも相続に強い事務所を選ぶことが大切

税理士、司法書士、弁護士であっても、全員が相続や生前対策について知識と経験が豊富とは限りません。

遺贈や死因贈与を検討するときは、複雑な相続シチュエーションのケースもあるので、相続を専門に特化している事務所に相談するのがいいでしょう。

また、弊社のように初回相談を無料で対応している相続専門事務所も増えていますので、まずは無料相談を活用してみましょう。


まとめ

遺贈も死因贈与も、どちらも自分の財産を次の世代に受け継がせる方法です。法定相続と異なる方法で財産を受け継がせたいなら、しっかりと検討しておく必要があります。

ただし両者には違いがあり、それぞれ向き不向きがあります。たとえば不動産を法定相続人に残したい場合、死因贈与にすると税負担が増えるので遺贈が適しているケースが多くなってきます。

遺贈と死因贈与について疑問がある場合、どちらかをやりたいけれどどちらを選んで良いかわからない場合、お気軽に当事務所の司法書士までご相談下さい。

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