未登記建物は売買できる?売買するための手続きと注意点

新築した建物は、取得してから1ヶ月以内に「表題登記」の手続きをすることが法律で義務付けられています。

しかし、「表題登記」をしないまま放置されている建物は珍しくありません。このような建物を「未登記建物」といいます。

そのため、相続した建物や長らく住んでいた建物が、未登記建物であることが後々発覚することもあるでしょう。

また、建物を売却しようと思った際に、未登記建物であることが発覚するということもあり得ます。

その際気になるのが「未登記建物は売買できるのか」ということですよね。

結論から言うと、理論的には未登記建物の売買は可能です。

しかし、未登記建物自体に、住宅ローンが組めないなどのデメリットがあるため、一般の方の買い手がつきにくい可能性があります

この記事では、未登記建物の売買方法や注意点について解説します。

ぜひ参考にしてください。


1章 未登記建物は売買できる?

冒頭でお話した通り、未登記建物の売買は不可能ではありません。「未登記建物は売買できない」といった法律や決まり事はないからです。

しかし、未登記建物の売買には以下のようなデメリットがあります。

  • 建物を担保にすることができず、購入する際に住宅ローンが組めない
  • 入後に登記するのであれば、その手続きに費用がかかる

このような建物を好んで購入する人は稀です。

そのため、未登記建物の売買は不可能ではなくても、難しいと言えるでしょう。

未登記建物についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。


2章 未登記建物を売買するには

未登記建物の売買が難しいといっても、いつまでも売却できないのは困りますよね。

未登記建物でも適切な方法を取れば、売買することも可能です。

ここでは、未登記建物を売買する方法について紹介します。

2-1 売主が登記してから売却する

建物付きで売却したいのであれば、売却前に売主が登記をしておく方法が最も良いでしょう。

売主が表題登記(構造や㎡数などを登録する登記)に加え、所有権保存登記(建物の所有者を登録する登記)をしておけば、通常と変わりなく建物の売買が可能です。

買主は、売買代金の決済時に所有権移転登記(建物の所有権を売主から買主に移す登記)ができれば問題ありません。

“所有権保存登記と所有権移転登記”

1.所有権保存登記

表題登記(構造や㎡数などを登録する登記)だけがされている不動産について、最初にされる所有権の登記のことです。一番最初の所有者の氏名や住所、所有者となった日を登記することにより、その後に生じる権利変動の基礎をつくるものです。

【所有権保存登記とは】手続方法やかかる費用を司法書士が簡単解説

2.所有権移転登記

不動産の所有者がAからBに変わったときに、その変わったことを記録する登記です。所有者が変わる原因は売買や贈与、相続など様々ありますが、すべてまとめて所有権移転登記と言います。

【所有権移転登記とは?】手続きの流れから必要物・費用まで簡単解説

2-2 解体してから売却する

「表題登記」は、建物の情報を登録するものです。つまり、土地の上に建物がなければ問題はないのです。

未登記の建物を解体し、更地にして売買すれば、「土地を売買する」だけで済みます。

ただし、未登記建物の解体後は、「建物がなくなったこと」を証明する手続きが必要となります。この手続きは、登記済みの建物を解体した場合と異なります。

通常であれば、解体工事が終了後、建物がなくなったことを登記する「滅失登記」を行います。

しかし、未登記建物の場合、そもそも建物の登記がされていないので滅失登記申請ができません。そのため、解体後に「家屋滅失届」を提出して、建物がなくなったことを証明します。

家屋滅失届は、各市区町村に提出します。市区町村によって「家屋取壊届」と呼ぶこともあります。詳しくは、管轄の市区町村役場に問い合わせてみるのが良いでしょう。

【建物を取り壊す費用の相場】

建物を解体するには費用がかかります。

解体費用の相場は、木造建築の場合で坪単価3〜5万円程度です。

一般的な一戸建ての坪数は30〜40坪なので、90〜200万円程度となるでしょう。

2-3 売買後に登記手続きをする/解体して滅失登記をする

個人間で売買するのであれば、未登記建物のまま売却することもあるでしょう。この場合は購入後、買主が建物を維持するのであれば表題登記・所有権保存登記を行い、解体するのであれば滅失登記を行うこととなります。

このように未登記のままで売却すると、たとえば売主が二重譲渡をしている場合や、債権者などから差し押さえされている場合に、第三者名義で登記がされてしまうリスクがあります。

そのリスクを回避するためにも、代金の決済後は速やかに表題登記・所有権保存登記手続きをするようにしましょう。また、買主が登記手続きを確実にできるよう、代金決済の場に、表題登記を担当する土地家屋調査士に同席してもらうことをおすすめします。

解体する場合も、解体する前に第三者によって登記がなされてしまう可能性がありますので、買主は速やかに建物を取り壊し、滅失登記をしましょう。もし取り壊しに時間がかかる場合は、一旦買主名義で表題登記をすることも検討してください。


3章 未登記建物を登記する方法

未登記建物を完璧に登記するにはまず「表題部」を登記し、次に「権利部」の登記をする必要があります。

  • 表題部の登記をするのは土地家屋調査士
  • 権利部の登記をするのは司法書士

というのが基本です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1 表題部の登記

「表題部」の登記とは、建物が「どこにあるか」「どのような構造か」「大きさはどの程度か」「いつ建築されたか」などの「建物の情報」を登録する登記です。

「表題部」の登記は自身で行うことも可能ですが、専門的な間取り図面の作成などが必要なため、現実的ではありません土地家屋調査士へ依頼をして、必要書類を作成してもらうのがよいでしょう。

必要書類が集まったら、登記をしたい建物の所在地を管轄している法務局へ必要書類を持参、または郵送により手続きします。

「表題登記」に必要な書類は以下のとおりです。

  • 登記申請書
  • 建物図面、各階平面図
  • 建築確認書及び検査済証
  • 建築代金の領収書
  • 施工業者からの引き渡し証明書
  • 固定資産税の納付証明書
  • 印鑑証明書
  • 申請人の住民票

上記の書類のうち、下3つ「固定資産税の納付証明書」「印鑑証明書」「申請人の住民票」は自身で取得することが可能です。

一番上の「登記申請書」は土地家屋調査士が作成してくれます。

それ以外の書類は新築時に手渡されるものなので、紛失している可能性があるでしょう。

もし、手元にない場合は土地家屋調査士へ相談してください。改めて作成するか、代わりになるものを教えてくれます。

3-2 権利部の登記

「権利部」の登記は、「建物の所有者」に関する情報を登録するものです。

さきほどのイラストでいうと「甲区」とラインが引かれている部分になります。

「権利部」の登記に関しても、必要書類を集め、登記をしたい建物の所在地を管轄している法務局へ必要書類を持参、または郵送することで手続きします。

権利部の登記に必要な書類は以下のとおりです。

  • 登記申請書
  • 申請者の住民票
  • 委任状(司法書士に依頼する場合)

権利部の登記は、所有者の情報を登記するだけで良いため、書類集めは表題部に比べて簡単です。

しかし、登記申請書の作成は必要です。万が一、登記申請書に誤りや漏れがあった場合、作成し直さなければいけません。自身で作成することは不可能ではありませんが、慣れない手続きになるため、一度で完璧に作成するのは難しいでしょう。

登記申請書の作成や何度も法務局へ行ったりするのが面倒に感じるのであれば、司法書士へ依頼するのが良いでしょう。

【住宅用家屋証明書があると登録免許税が大幅に軽減されます!】

建物が一定の条件を満たしていれば、住宅用家屋証明書の交付が受けることができ、登記申請時に提出することで、登記時にかかる登録免許税を大幅に軽減することができます。

住宅用家屋証明書の交付を受けるための主な条件は以下のとおりです。

  • 個人が自己居住用のために取得(新築)したものであること
  • 住宅面積が家屋全体の90%を超えること
  • 新築後または取得後1年以内に登記を受けるものであること
  • 床面積が登記簿上50㎡以上あること
  • マンションの場合は、耐火建築物、準耐火建築物、低層集合住宅のいずれかに該当すること

3-3 未登記建物を登記する際の費用

未登記建物を登記する際の費用は以下のとおりです。

家屋調査士への依頼費用8〜12万円
司法書士への依頼費用2〜3万円
登録免許税表題登記
0円
権利部登記(所有権保存)不動産評価額×0.4%

登録免許税とは、権利部の登記(所有権保存登記)をする際にかかる税金です。納税額は【不動産の評価額×0.4%】で計算します。不動産の評価額は、固定資産税納税通知書に記載されている固定資産税評価額です。

不動産の評価額が1000万円の場合、登録免許税は4万円となります。


まとめ

未登記建物を売却することは、手続上不可能ではありません。

しかし、住宅ローンを組むことができない上、登記に費用もかかるため、未登記建物を購入したいと考える人は稀でしょう。そのため、未登記建物の売却は非常に難しいというのが実際のところです。

通常通り、不動産会社を通して売却したいのであれば、登記手続きをしてから売却するか、建物を解体して土地を売却するようにしましょう。

もし、個人間で売買が可能であれば、売買後に表題登記・所有権保存登記手続きをするか、解体して滅失登記をするのが良いでしょう。

登記手続きに不安があれば、司法書士や土地家屋調査士に相談することをおすすめします。

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