【簡単理解】司法書士が教える借金を相続しないで済む為の2つの方法

借金 相続

この記事にたどり着かれたということは、

「ご両親が残された借金を心配されている」、「現に請求を受けていらっしゃる」

のではないでしょうか。

できることなら借金は相続したくないもの。

この記事ではそのような方にこそ読んでいただきたい「借金を相続しないですむつの方法」をわかりやすく紹介しています。

借金を相続してしまうと、その後の人生が大きく変わりかねません。本記事を読み進めていただきお役立ていただけると幸いです。

1章 相続が発生すると借金も相続します

相続とは、亡くなった方(被相続人)の財産を相続人(子や配偶者、兄弟等)がすべて引き継ぐことです。財産というと、預金、不動産、現金などをイメージする方が多いでしょう。ですが、相続財産には、亡くなった方(被相続人)の負債も含まれるのです。
つまり、親や兄弟、配偶者がしていた借金の返済義務を相続人が負うことになります。

ですが、借金はできれば相続したくないもの…借金を相続しなくても済む具体的な方法をつご紹介します。

2章 【1つ目の方法】相続放棄

故人の借金を相続しなくて済む方法として最も一般的なのが相続放棄です。一度は聞いたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

相続放棄は、法律で認められている合法的な方法で、故人の借金を支払う必要がなくなります。この章では、相続放棄をした方がいい場合や手続きの方法をご紹介します。

2-1 明らかに借金の方が多い場合は相続放棄

相続放棄とは、相続する立場を放棄するという方法です。つまり、相続人ではなくなりますので、預金や現金、不動産などのプラスの財産は相続できなくなりますが、借金などのマイナスの財産も相続する必要がなくなります。

たとえば、父親が3000万円の住宅をのこしてくれたが、借金も9000万円のこして亡くなったような場合は、相続放棄をすれば3000万円の住宅は手に入りませんが、9000万円もの借金を背負うこともなくなります。

つまり、相続対象となる財産が明らかに借金の方が多い場合に適した方法ということになります。

ですが、相続放棄にはデメリットもあります。例えば、相続放棄の申請をして認められた後に、申請時には知らなかった財産が出てきたとしても、もう相続することはできません。つまり、相続放棄を検討するときに後で後悔しないように、財産調査をしっかりする必要があります。

2-2 3ヶ月間財産に手をつけずに家庭裁判所に申し立てる

借金の方が多い場合に有効な相続放棄は申請できる期限が決められています。相続放棄をする場合には、「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」に申請手続きをする必要があります。(※相続の開始を知った時とは・・・重要事項ですので後述しています。)

このヶ月期間のことを「熟慮期間」といいます。この、相続放棄の申請手続きは被相続人が最後に住所地としていた地域を管轄している家庭裁判所に対して行います。

また、相続放棄は「何も相続しない」ということを意味するので、相続財産を使ってしまうと相続放棄が出来なくなってしまいます。十分に注意することが必要です。

【重要ポイント】
ヶ月以内
・財産に手をつけない
・管轄の家庭裁判所に申請

必要書類は、基本的なものは親子間の相続放棄の場合、①相続放棄申述書 ②被相続人の住民票除票か戸籍附票 ③手続きを行う人の戸籍謄本です。これ以外の書類は、相続人と被相続人との関係によって変わってきます。

この熟慮期間が相続の発生を知った日からヵ月というのは、ちょっと短いと感じてしまいますよね。近親者が亡くなったときは、精神的にも不安定になりやすく、葬儀や遺品整理などしなくてはいけないことがたくさんあります。そして、相続放棄をするかどうかの判断材料になる財産調査にも時間がかかるかもしれません。

そんな中で、どうしても3ヵ月では間に合いそうにない!ということも出てくるでしょう。そんなときにはどうすればいいのでしょうか。

2-3 期間延長の方法がある

相続放棄の熟慮期間は相続が発生することを知った日から3ヵ月です。

ですが、故人の死後の様々な手続きや財産調査、熟慮期間を過ぎてしまいそうなときには、所定の申請をすることで、延長することができる場合があります。この手続を「相続の承認又は放棄の期間の伸長」といいます。この手続きをすることで、相続放棄期限を3ヵ月引き延ばすことができるのです。

家庭裁判所では「やむを得ない事情がある場合」に、相続放棄の手続きの申請期間を延長することを認めています。そのやむを得ない事情には、財産調査に時間を要したという場合も含まれるといわれています。

この申請手続きは、3ヵ月という熟慮期間内に裁判所に申請する必要があります。つまり、過ぎてしまってから「相続の承認又は放棄の期間の伸長」の申請はできません。

2-4 熟慮期限は3ヵ月!その起算点は?

相続放棄の熟慮期間は3ヵ月です。つまり、相続人はこの期間内に分割協議をして財産調査を行い、相続するかどうかを決める必要があります。

そこで重要になってくるのが、この3ヵ月という期限の起算点です。民法では「自己のために相続の開始があったことを知った時」と規定されています。これは「自分が相続人になったと知った時」と同じ意味です。

配偶者と子どもは常に相続人になるので、「被相続人の死亡を知った時」に熟慮期間が開始します。そのほかの相続人は、「被相続人の死亡を知り」かつ「先順位の相続人がいないときか、先順位の相続人が全員相続放棄をしたことを知った時」に熟慮期間が開始します。

借金 相続

ではもし「故人に借金はないと信じた状態で3ヵ月を過ぎてしまった」場合にはどうなるのでしょうか。次で説明します。

 熟慮期間を超えても相続放棄が認められることがある

熟慮期間の3ヵ月を過ぎた後に故人の借金が明らかになり相続人に対して支払い請求がきた場合に、最高裁は「相続人が前記の各事実を知つた時から熟慮期間を起算すべきであるとすることは相当でないものというべきであり、熟慮期間は相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算すべきもの」という判断をしています。(裁判年月日 昭和5927日 事件番号 昭57(オ)82号)

つまり、相続人が被相続人の財産(借金も含む)の存在を知ったときが熟慮期間の起算点になるということです。ですので、もし「財産も借金もない」と思って相続放棄しなかったけど、3ヵ月過ぎてから借金が発覚した、という場合には、相続放棄の申請が可能です。

例外事項なので、100%申請が受理されることを保証することはできませんが、専門家に相談したうえで、専門家が受理される可能性があると判断する事案であれば、可能性としては高いでしょう。

相続放棄についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

3章 【2つ目の方法】限定承認

相続する財産の中に借金などのマイナス財産がある場合の選択肢として、もうひとつ限定承認という方法があります。

限定承認とは、いったいどんなものなのでしょうか。

3-1 借金が財産額より多いか不明な場合は限定承認

限定承認とは、相続によって相続人が得ることができる財産の範囲内で借金も相続するという方法です。限定承認は以下のような場合に向いています。

 ① 財産の中に家宝などがある
 ② 相続財産の調査結果がはっきりしない
 ③ 自宅や遺品など故人の形見を残したい
 ④ 相続人が家業を再建する場合

限定承認では、相続財産を超える借金は相続しなくてよいので、借金という負の遺産のリスクを最小限に留めることができます。ですので、プラスの財産とマイナスの財産、どちらが多いかはっきりしない場合や、家宝や形見、自宅など手放したくない財産がある場合に適しています。さらに、限定承認を行う場合、相続人はゼロの状態から家業を再スタートさせることができます。借金と財産を相続を期に整理したいという時に、限定承認を利用することもできます。

先ほどご紹介した相続放棄の場合、財産の性質に関係なくすべての財産の権利を放棄することになりますので、自宅の建物や土地が故人名義だった場合に、自宅を手放すことになってしまいます。

限定承認では、自宅など特定の遺産を取得したいという場合には、相続人が評価額を支払うことで、この遺産を取得することができるのです。

3-2 限定承認は3ヶ月以内に相続人全員で家庭裁判所に申し立てる

限定承認にも、相続放棄と同じようにヶ月という期限があります。さらに、ヶ月の被相続人の準確定申告期限もしっかりと把握しておく必要があります。もし、この準確定申告の期限を過ぎてしまうと延滞税が加算されることになります。

また、個別に申請する相続放棄と違い相続人全員で裁判所に申し立てる必要があるので、この点にも注意が必要です。

【重要ポイント】

ヶ月以内
・相続人全員で
・管轄の家庭裁判所に申し立てる

限定承認も相続放棄と同じく、熟慮期間の延長のもうしたてをすることが可能です。

3-3 限定承認は司法書士か弁護士に必ず相談しましょう

限定承認は、申述のあとに公告・清算手続きが必要…など、相続放棄に比べて手間かかかります。また、財産の状況によっては単純承認の方がいい場合や相続放棄の方が適しているということも少なくありません。また、相続放棄と比較して手続きも複雑になっています。

故人に借金があるからといって安易に限定承認せずに、専門家にしっかりと相談しましょう。

また限定承認についてはこちらでも詳しく解説しています。

4章 相続放棄の良くある質問

ここでは、相談放棄に関するよくある質問をご紹介します。いつかあなたにも関わってくるかも知れない相続の問題…知っておいて損はありません。

-1 生前に相続放棄をしておくのは可能ですか?

生前に相続放棄はできません。というのも、相続放棄はあくまでも相続が発生することで初めて放棄できるものです。つまり、まだ生きている状態であれば相続が発生していないので、ないものを放棄することはできません。

-2 借金だけを相続放棄できるのですか?

借金だけを相続放棄することはできません。

相続放棄で、借金だけ放棄できれば…と考える方もいらっしゃるでしょう。特に、自宅などが故人の名義の場合は相続放棄ですべての財産権を放棄するのは避けたいという場合もあるかと思います。

ですが、借金だけを相続放棄することはできません。あくまでも相続放棄はすべての財産権利を手放すというもの…たとえば、故人の名義になっている自宅などを残したいという場合は、単純承認か限定承認するしかありません。

被相続人が存命であり、資金に余裕があるということでしたら(債務超過でない)、債権者を害しない範囲で生前贈与を試みられてもよいかもしれません。

4-3 何も受取らないし借金も負わないという内容で遺産分割協議をしたら借金返済義務は無いのですか?

返済義務はあります

故人の借金は、相続が開始されると共同相続人の相続分に応じて自動で相続されることになります。

もし、遺産分割協議で「何も受け取らないし借金も払わない」とした場合、それは相続人同士では有効です。ですが、故人にお金を貸した債権者に対して分割協議を理由に支払いを拒否することはできません。つまり、債権者から相続を理由に借金返済を求められたときには、分割協議で「支払わない」と合意していてもその主張ができないということです。

分割協議はあくまでも、共同相続人間の取り決めであって債権者には関係ないのです。

4-4 相続放棄をすると生命保険金も受取れないのですか?

相続放棄した場合でも、原則、生命保険金、遺族年金などは受け取ることができます。そもそも、生命保険金や遺族年金は相続財産ではないからです。

仮に、受取人が「相続人」となっていた場合はどうでしょうか。相続放棄をしてしまうと相続人でなくなるので受け取れない気もします。

この場合でも、被相続人(保険契約者)の気持ちとしては、契約時に相続人となろう人に保険金をのこしてあげたいという気持ちであると考えられますので、生命保険金と遺族年金は受け取ることができます。

まとめ

故人に借金がある場合には、借金を相続しなくてもよいつの方法があります。
すべての権利を放棄する相続放棄と、ブラスの財産の範囲内で借金も相続する限定承認です。
どちらの方法、相続の発生を知った日から3ヵ月以内に家庭裁判所で所定の手続きをする必要があります。そして、この期間は延期することもできます。

相続放棄にも限定承認にもそれぞれメリットとデメリットがあるので、自分に合った方法を見つけるために司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。

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