【5分でわかる】生前贈与で損したくない人必読の簡単手続マニュアル

生前贈与手続きアイキャッチ

生前贈与をするにはどんな手続きをすれば良いんだろう?

 生前贈与をされる目的で一番多いのは相続税対策でしょう。

 しかし、私が司法書士として生前贈与に関する実務に当たる中で様々な生前贈与の失敗事例を見てきました。

 例えば、毎年コツコツと生前贈与をして相続税対策をしていたつもりが、実際に相続税の申告のときに、もらった人の財産ではなく亡くなった方の財産であったと税務署に判断されて、生前贈与の効果を否定されるようなケースです。

 年間で相続相談を1000件以上受ける事務所の代表の私が、本記事をお読み頂いた方が生前贈与の正しいやり方を理解して、損をしない生前贈与の手続きの方法を解説していきます。

 生前贈与を使った相続対策に失敗しない手続きのやり方のポイントは以下の4つです。

 ① 贈与契約書必ず作る

 ② 金銭の贈与は必ず振込で行う

 ③ 贈与された金銭は、贈与を受けた人が通帳・印鑑も管理する

 ④ 不動産の贈与は必ず登記を行う

 

 この記事では「金銭」・「不動産」それぞれの生前贈与手続きの方法や流れについてわかりやすく解説しています。

 是非理解して正しい生前贈与の手続きをして下さい

 

第1章 金銭の生前贈与手続きのやり方

 

 本章では金銭を贈与する場合の、全体の手続きの流れと押さえるポイントを紹介していきます。

金銭の生前贈与の流れ 

 

1-1 贈与契約書を作ろう

 金銭の贈与契約書を作成する目的は、後々の税務署とのトラブル防止が一番大きな目的です。口約束でも贈与契約は成立しますが、第3者から客観的に見て贈与の事実があったという証拠を残すために、必ずポイントを押さえて作成しましょう!
 下記に金銭の贈与契約書のサンプルを載せますので参考にして下さい。 

金銭贈与契約書

 

 

POINT

贈与契約書作成ポイント

 

  • 必ず自筆しましょう。

 日付・住所・名前は必ず自筆(手書き)しましょう。パソコンでのワープロ打ちで作成すると本当に本人の意思で贈与したのかを後々証明するのが大変になりますので、贈与の証拠を残す意味で必ず自筆しましょう。

  • 印鑑は必ず実印にしましょう。

 印鑑は実印で押印して印鑑証明書を添付しましょう。万が一相続発生後に生前贈与が贈与する人の意思で行われたのかが争いになった際に強い証拠になります。保険と思い少し手間ですが双方実印で押印をしましょう。
 
 ・未成年者の方が贈与を受ける場合は親権者が署名押印しましょう。
 
 未成年者の方は、単独では有効な契約は出来ませんので、必ず親権者の方が契約書に署名・押印をしましょう。

 

1-2 贈与する金銭は必ず振り込み・通帳記入を行って、生前贈与の証拠を確実に残しましょう

 金銭を贈与する場合は、「いつ・誰が・誰に・いくら渡した」という事が重要です。

 例えば、相続発生後にいつ贈与を受けたがポイントになる場合があります。亡くなられた方が、認知症になって時間が経ってから死亡した場合は「意思能力」が有ったときの贈与なのか?がポイントになります。こんな場合に備えて必ず銀行送金を利用しましょう。

 銀行送金をすると手数料がかかりますが、わずかな手数料で、通帳に「いつ・誰が・誰に・いくら渡した」と印字してくれますのでわずかな振込手数料を惜しまずに必ず振込みをしましょう!

 

振込みの際のポイント

送金する先の口座の銀行印は贈与する親や祖父母と同じものはやめましょう!実質親の口座(名義借り)と見られてしまう危険があります。その結果渡した人の財産であると税務署にみなされて、相続税の申告の際に相続税が増える結果になる恐れがあります。

 

 

第2章 不動産の生前贈与手続きのやり方

 本章では不動産の生前贈与の手続きの流れと押さえるべきポイントを紹介していきます。    
 不動産の生前贈与は「登記申請」という少し複雑な不動産の名義変更手続きがありますので、金銭の生前贈与に比べて少し難易度が高まります

 司法書士は「登記申請」のスペシャリストの国家資格者ですので、依頼すれば契約書の作成から登記申請までをアドバイスを受けながらご本人の負担は大幅に無くなりますので、司法書士に依頼されるのがベストです。

 不動産の生前贈与の流れ

2-1 契約書作成・登記申請に必要な書類を集めましょう

 

贈与する人が用意する書類

① 登記事項証明書 →お近くの法務局で取得しましょう。

② 固定資産評価証明書→物件所在地の役所で取得します。

③ 印鑑証明書

  登記申請時点で発行後3か月以内のもの

④ 登記済権利証又は登記識別情報

贈与を受ける人が用意する書類

⑤ 住民票

 

上図にある書類を集めていきます。

 この中で一般の方が取得しにくいのは①登記事項証明書の取得です。法務局で取得する際は住所では取得できないので注意しましょう!

登記事項証明書とは、土地の地番や地積(㎡数)、建物なら家屋番号・床面積(㎡数)、所有者に関する事、担保に関する事が書かれている証明書の事をいいます。登記事項証明書を取得するには土地なら「地番」・建物なら「家屋番号」が分かれば法務局で取得する事が出来ます。住所とは異なりますので注意しましょう。

 「地番」・「家屋番号」を知る方法

① 固定資産税納税通知書で確認
不動産を所有している方宛に毎年4月頃に届く書類です、この書類の中に地番・家屋番号の記載があります。

② 権利証の土地・建物の記載を確認
不動産を購入したら、権利証(現在は登記識別情報)が法務局から発行されます。通常は登記手続きを担当した司法書士事務所から、登記完了後に送られてくるのが一般的です。

③ 法務局で住所から地番検索をして調べる
①も②も無ければ不動産の管轄の法務局に電話して、「地番照会お願いします!」と住所を伝えて教えてもらいましょう。(法務局管轄一覧

 

2-2 不動産の贈与契約書を作ろう

では、次に不動産の贈与契約書を作りましょう。

 贈与契約書は、贈与の事実があったという証拠になりますし、もらう人と渡す人の間での後々の紛争防止の意味でも必ず作成をしましょう。
 不動産の贈与契約書は金銭に比べて記載する事項が多くなりますが、後の税務署や他の相続人とのトラブル防止の為にポイントをしっかりと押させて作成しましょう。
 下記に不動産の贈与契約書のサンプルを載せますので、参考にして下さい。

不動産贈与契約書

 

 

 

2-3 生前贈与の登記申請を法務局にしましょう

不動産の生前贈与の手続きのクライマックスである登記申請をしましょう。

不動産の生前贈与はその不動産の管轄の法務局に、申請書と添付書類を揃えて申請します。

申請はオンライン申請と持込・郵送申請が有りますが、オンライン申請は環境を整えるのに手間と費用がかかりますので、一般の方は持込・郵送申請の方法をとりましょう。それでは手順に沿って詳しく見ていきましょう。

 生前贈与の登記手続きの流れ

①添付書類の準備

 登記申請に必要な書類を取得しましょう

  • 贈与する人の印鑑証明書(法務局提出時点で発行から3か月以内のもの)
    → 贈与する人の住所地の役所で取得しましょう。
  • 贈与対象不動産の登記済権利証(登記識別情報通知)
    → 以前に対象不動産を購入・相続した際に発行されたものです
  • 贈与対象不動産の固定資産評価証明書
    → 役所で取得しましょう
  • 贈与を受ける人の住民票
      → 役所で取得しましょう

 

②登記申請書の作成

 法務局に申請する際に必要となる、登記申請書を作成しましょう。下記にオーソドックスなひな形を載せますので参考にして下さい。

贈与登記申請書

 

③登記申請の際の付属書類の作成

下記の付属書類2つを作成しましょう。

登記原因証明情報

 いつ・誰が・誰に・どの不動産を贈与した結果、所有権が移転した。という事を法務局に証明する為に作成する書類です。下記に参考書式を載せておりますので参考にして下さい。
 (1枚目)

登記原因証明情報1

(2枚目)
登記原因証明情報サンプル2

印紙台紙

登記申請時に、固定資産評価額の2%の額の登録免許税を納めなければなりません。その金額の収入印紙を購入して印紙台紙に貼り付けて申請します。

 

④書類をホッチキスでとめて法務局に提出しましょう

法務局に登記申請する際は下記の順番で必ずホッチキスでとめて申請しましょう。

1 登記申請書

2 印紙台紙

3 贈与する人の印鑑証明書

4 贈与を受ける人住民票

5 固定資産評価証明書

6 登記原因証明情報

登記済権利証は別のファイルに入れてホッチキスでは止めずに申請しましょう。

 

⑤ 登記手続完了

 

法務局に申請してから約1週間~2週間で登記手続きは完了します。

完了したら必ずその不動産の登記事項証明書も取得して内容を確認しましょう。

まれにですが法務局のミス等で住所が間違っている事が有りますので確認しましょう。

 

第3章 贈与税の申告が必要なら税務署に贈与税の申告をしましょう

 税務署外観写真

3-1 年間110万円を超える贈与を受けたら贈与税の申告が必要です。

年間で110万円を超える贈与を受けた場合は贈与税の申告が必要になります。相続時精算課税制度等の規定の適用を受けて結果として税額が0となる場合も申告自体は必要ですので注意しましょう!
贈与を受けた人が贈与税は払わないといけませんので、贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署に申告します。

3-2 年間で110万円の考え方は、贈与を受ける人を基準に考えます。

例えばAさんから90万円、Bさんから100万円の贈与を甲さんが受けたとしたら贈与税は発生するでしょうか?この場合は合算して190万円になりますので贈与税は発生します。

考え方としてはもらった人を基準に考えますので一年間(贈与を受けた年の1月1日~12月31日までの期間)で110万円を合算して超えていれば申告しなければなりません。

第4章 贈与税申告に関してよくあるQ&A

贈与税申告イメージ写真

Q1 誰が申告するの?

A 贈与を受けた人が申告しなければなりません。

 

Q2 どこに申告するの?

A 贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署です。

 

Q3 いつまでに申告するの?

A 贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間です。

 

Q4 いつまでに納税するの?

A 贈与を受けた年の翌年の3月15日までです。

 

Q5 贈与税申告の際の必要な提出書類は何ですか?

A 通常はこちらの贈与税申告書だけで大丈夫です。
贈与税の申告書PDF

 

下記に特例を適用して贈与税の申告をする際の追加で必要になる書類をまとめます。上記の贈与税申告書は勿論必要です。

(1)相続時精算課税制度の適用を受ける場合

相続時精算課税選択届出書PDF

相続時精算課税の計算明細書PDF

 贈与税の申告書と合わせて3点を作成して申告します。

 

(2)贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合

贈与税の税額の計算明細PDF

・配偶者の戸籍謄本

・贈与を受けた人の住民票 

・贈与を受けた人の戸籍の附票

・贈与対象不動産の登記事項証明書

以上を作成・収集して申告します。

第5章       生前贈与の手続きでよくあるトラブルとその解決策

5-1 生前贈与した財産が「名義預金」と認定され、税金がかかってしまう

名義預金とは、預貯金の名義は亡くなった方以外の(例えば子や孫)の名義にはなっているが、相続税申告の際に亡くなった方の財産であると税務署に認定されてしまう事です。

 現金や預貯金の生前贈与に関しては、毎年非常に多くの人が「名義預金」と認定されてしまい税金がかかってしまっています。

 折角の相続税対策が無駄にならない様に以下のチェックリストを参考に金銭の生前贈与は行いましょう。

名義預金認定チェックリスト

5-2 相続開始前3年以内の贈与財産には税金がかかる事を知らないで進めてしまう

相続開始前3年以内の贈与」は相続税の計算の際に相続財産に取り込まれて計算されてしまいます。

 では死期が迫っており、早急な相続税対策が際には生前贈与は使えないのでしょうか?いえ、この場合でも「相続人以外」への贈与なら相続財産に取り込まれないので、例えば相続人では無い孫へ生前贈与をする等、状況により重点的に行えば効果が得られます。

ポイント

① 相続人以外への生前贈与なら、死期が迫っていても相続税対策として使える

② 余裕を持ったスケジュールで元気なうちに生前贈与を行いましょう

 

 

5-3 生前贈与がいつ成立したのかを税務署に証明する事ができない

 いつ生前贈与が成立したのかは非常に大事なポイントです、それを証明できない様な場合はどうすれば良いのでしょうか?
 例えば、身内同士の会社の株式を贈与するときは、贈与契約書に公証役場で「確定日付」を入れてもらいましょう

 生前贈与を行うときに大きなポイントである「いつ」という日付の部分ですが、ここまで解説してきた、「不動産」「金銭」の場合はそれぞれ「登記」「振込」という手続きを踏みますので「いつ」という部分の証拠が公の機関を通じて証明されます。

 しかし、身内同士の会社(同族会社)の株式の様に、生前贈与の手続きの際に先ほどの振込みや登記という、公的な機関の手続きを踏まずに贈与してしまう事になります。
 ですのでこの場合は公証役場という公の機関で、その日にその書類が存在していたんですよという事を証明してもらう為に「確定日付」をもらいましょう。
 手数料も一律700円と安いのでおすすめです。

確定日付とは?

確定日付とは、公証役場という所で公証人から、「この日にこの書類が存在した。」という事を証明してもらう手続きです。内容が適正かどうかの証明にはなりませんので注意してください。その代りに700円と非常に安価に手続きをする事ができます。
利用する際はお近くの公証役場に依頼しましょう。(公証役場一覧

第6章 生前贈与の手続きはどこに依頼すればよいのか

 生前贈与の手続きを依頼する先としては、登記や契約書作成なら司法書士税務申告を依頼するなら税理士を選びましょう。どちらかを窓口にすれば、提携している税理士や司法書士と連携して業務をしてくれる場合が殆どでしょう。
 生前贈与を計画の段階から依頼すれば、費用はかかりますがより節税効果の高い方法を教えてもらえたり、面倒な手続きもしてもらえたりと費用以上の効果が見込めるケースも有るでしょう。
 相続関連のホームページが有るかを基準にして、どちらかを窓口にして依頼されるのがおすすめです。
 

まとめ

生前贈与はきちんとポイントを押さえて行わなければ、効果を否定されてしまう事があります。

生前贈与の証拠をしっかりと残す

もらう人が通帳・印鑑を管理して自由に使えるようにする

不動産の贈与は登記まで行う

少しの手間で後々に大きく影響しますので注意しましょう。

本ブログを参考にして正しい生前贈与の手続きを進めてください。

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