親族が後見人になるメリット/デメリットと知っておくべきポイント

後見人 親族

後見人になろうと思っているけど色々と不安、、、

いくら親族でも「後見人」という聞きなれない立場や責任を負うのは不安です。

また、後見人に一度なってしまうと簡単には辞めれないので、親族が後見人になるメリットやデメリット、その他の正しい知識をふまえてしっかり検討しておくことが重要です。

今回は子供や孫、甥姪などの親族が後見人となるメリット・デメリットや注意点を成年後見制度の専門家である司法書士が詳しく解説します。


1章 成年後見人が親族になるメリット・デメリット

まずは子供や孫、甥姪などの親族が成年後見人になるメリットとデメリットを把握しましょう。

1-1 親族が後見人になるメリット

安心感がある

子どもや甥姪など信頼できる親族が後見人になり財産管理してくれるので、知らない第三者に任せるより本人としては安心感があります。預金通帳や不動産の権利証など、大事な財産を預けるときの抵抗感も少なく済みます。

コストがかからない

通常、司法書士や弁護士など第三者が後見人になると毎月2~4万円程度の報酬が発生しますが、親族が後見人になれば無報酬で行うことができます。

法制度上は、親族も報酬を請求できますが、本人が亡くなると後見人をしていた親族が相続人になるケースが多いこと、報酬請求の手続きが煩雑で面倒なことから、報酬請求せず実質上無償で行うケースが多いです。

スムーズに対応できる

本人の事情や財産状況をよく知った親族が、財産管理や身上監護をスタートするのでスムーズに対応できます。

1-2 親族が後見人になるデメリット

家庭裁判所の事務が煩雑

後見人になれば家庭裁判所の管理監督のもと、本人の財産管理や身上監護を行うことになります。

ですので、年に2回程度、財産管理や身上監護の状況をまとめて報告書を裁判所に提出する必要があります。また、一定の行為を行うときは、裁判所との協議が必要だったり、申立てをして許可を得なければならないこともあります。

このような馴染みのない法手続きは、一般の方にとっては非常にストレスになります。また、平日の日中しか裁判所は開庁していないことも、お仕事をされている人にとっては負担と言えます。

トラブル要因になるおそれ

複数の親族がいて不仲なケースなどでは、特定の親族を後見人にするとトラブルにつながるおそれがあります。

例えば、毎月帳簿を見せろなど、嫌がらせのような追及をしてくるケースもあります。

第三者の司法書士や弁護士であれば、そのような理不尽で法的根拠のない要望には、毅然とした態度でお断りすることができますが、親族間の関係もあるので無下にできないような場合もあります。

横領が行われるケースも

素行不良な親族が後見人となった場合、財産の横領が行われるケースがあります。

裁判所の調査によると、後見人による横領などの被害額は1年間平均で約33億円に上ります。
第三者後見人となる司法書士や弁護士などと比べると、法律や後見業務の知識に乏しいことが原因の一つと考えられています。

1-3 後見人を親族にすべきか・親族以外にすべきかの判断基準

親族間に争いがない

親族を後見人にする場合には、「親族間に争いがない」ことが必須条件です。争いがある状態で特定の人を後見人にすると、後見人にならなかった親族が反感を抱いて大きなトラブルになってしまうからです。親族が一人の場合や文句を言う親族がいない場合に親族を後見人に立てましょう。

一言ポイント
そもそも親族からの反対があった場合は、第三者の後見人(司法書士や弁護士)が選ばれる可能性が非常に高くなります。

適切な人物がいる

後見人になると、本人の財産を適正に管理しなければなりません。横領など絶対にあってはならないことです。家庭裁判所への定期的な報告義務もあるので、一定の事務処理能力も必要です。

したがって責任をもってきっちり財産管理できる資質を持った親族が担当すべきといえるでしょう。適切な親族がいない場合には親族後見人を選任すべきではありません。

上記のような基準をもとに、親族を後見人とするかどうか検討してみて下さい。


2章 必ずしも親族が後見人になれないケースもある

子どもや甥姪などの親族が後見人になろうとしても、法律上や制度上認められないケースがあります。

2-1 後見人の欠格事由がある

以下のような人は、そもそも後見人になる資格がありません。後見人になる資格がないことを「欠格事由」といいます。

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で法定代理人や保佐人、補助人の職務を解かれた人
  • 破産者でまだきちんと免責を得られていない人
  • 本人に訴訟をした人やその配偶者、親などの直系血族
  • 行方不明の人

上記にあてはまる人は後見人の欠格事由があるので、後見人になれません。

2-2 財産額が大きい場合

財産額が大きい場合(特に現預金1000万円以上)は、裁判所が横領などを警戒して親族後見人を選任せず専門家(司法書士など)の後見人を選ぶ傾向があります。

2-3 反対する親族がいる場合

親族間で対立がある場合にも家庭裁判所は親族を後見人にせず司法書士などの専門家を後見人として選任します。

2-3 後見開始申立て前の財産管理に不明瞭な点がある場合

成年後見人を選任してもらうために手続き及び調査段階で、本人の財産の使途に不明瞭な点があると家庭裁判所は司法書士などの専門家を選任する傾向があります。第三者的立場の専門家でないと適正な調査と実情の把握が困難となるからです。

子どもや甥姪などが後見人になろうとしているなら、まずは上記をチェックしてください。問題がなさそうなら手続きを進めていきましょう。

なお、これらは家庭裁判所で法定後見人を選任するケースの問題であり、本人が選任する任意後見人ならこういった状況でも親族が後見人になれます。(ただし、2-1の欠格事由がある場合を除く)


3章 親族が後見人になれるケースとポイント

3-1 親族が後見人になりやすいケース

以下のような場合、比較的容易に親族が後見人になれます。

任意後見契約で本人が親族を後見人として選任しておく

 任意後見契約を締結しておけば欠格事由など、よほどのことがない限り、確実に後見人になることができます。

任意後見人について詳しく知りたい方はこちら

親族間に争いがなく財産額も少額

親族間に争いがなく、財産額が少額(現金1000万円以下)の場合は、親族が後見人になりやすいと言えます。

財産内容が明瞭で、複雑な対応は不要

たとえば、財産内容が預貯金と実家のみのようなケースです。反対に自社株や賃貸住宅などを持っていると、管理が複雑になるので、司法書士などの専門家が選ばれる可能性が高くなります。

3-2 成年後見人になることの多い親族は「子ども」

成年後見人になることの多い親族は「子ども」です。次に「孫」「甥姪」です。子どもや孫がいれば基本的に甥姪よりは優先されます。なるべく本人に近い親族が好ましいためです。

また本人より若い世代でないと適切な管理が難しく将来も不安なので、次世代以降の親族が選任されやすくなっています。ただし年の若い兄弟姉妹がいる場合などには兄弟姉妹が後見人になるケースもあります。


4章 法定後見で親族を後見人にする方法

家庭裁判所で親族の成年後見人を選任したいときには、後見人選任の申立書に「後見人の候補者」として選任してほしい親族の名前と続柄を書いておく必要があります。

後見開始審判の申立てをすると家庭裁判所で後見人候補者との面接や他の親族への意見照会などが行われ、問題がなければ候補者とされた親族を後見人に選任してもらえます。

申立て方法など詳しく知りたい方はこちら


5章 親族が後見人になるときの注意点

親族が後見人となろうとするなら、以下のような注意点を理解しておきましょう。

5-1 一度後見人になると簡単には辞められない

度後見人に選任されると、簡単には辞められません。基本的に「本人が亡くなるまで」財産管理を続けなければなりませんし、途中で辞任するには正当な理由が必要です。

「面倒になったから」「忙しくなったから」「結婚して自分の家庭の方が重要になったから」などの理由で簡単に後見人の職務を放棄できないので、就任前に慎重に検討しましょう。

5-2 自由に財産を使えるわけではない

後見人はあくまで「人の財産を預かる立場」ですから、自由に財産を使うことは許されません。

自分のために使えないのはもちろん、本人のためであっても家庭裁判所の許可を要する事項があります。たとえば自宅の売却などは後見人の独自の判断ではできず、家庭裁判所に報告して許可を得なければなりません。また、本人に良かれと思ってしたことでも、裁判所から指摘・注意されることがあります。

あくまで後見人は「人の財産を預かって管理する立場」です。

5-3 家庭裁判所への定期報告などを行わなければならない

後見人は、他人の財産を預かる重大な責任を負う立場です。また近年後見人による財産の横領なども問題となっており、家庭裁判所も監視の目を強めています。

後見人は家庭裁判所へ定期的に本人の財産や収支状況の報告をしなければなりません。

たとえ親や叔父叔母などの親しい親族の財産であっても「他人のものを管理する」という責任と自覚を持って臨む必要があります。


6章 後見人になれば親族でも報酬を請求できる

任意後見人でも法定後見人でも後見人はつの仕事なので、後見業務を行ったら報酬を請求できます。任意後見の場合には本人と事前に契約して報酬額を決定しておけばその通りに受け取れますし、成年後見の場合には家庭裁判所が報酬額を決定します。

6-1 請求するかしないかは自由

ただし後見人になったからといって必ず報酬を受け取らねばならないものではありません。親族間では報酬のやり取りをしないケースも多々あります。

法定後見の場合には、後見人が家庭裁判所へ報酬決定の申請しなければならず、請求するかしないかは自由です。

報酬を請求するかどうかは状況や考え方に応じて判断すると良いでしょう。

6-2 報酬額の相場

法定後見の場合、家庭裁判所が報酬額を決定します。その際の金額は、管理する財産額や行った業務の内容によって変わります。

財産額が1,000万円以下などで少額なら月額万円程度、財産が5,000万円以上あって複雑な業務を行ったケースでは月額万円程度にまで増額される可能性があります。(平均は月額万円程度)

任意後見を利用する場合にも、万円くらいの範囲で報酬額を決定すると良いでしょう。

6-3 報酬を受け取るまでの簡単な流れ

任意後見の場合には後見人が普段管理している本人の財産から、約束した月額報酬を受け取れば良いだけです。

法定後見の場合に報酬金を受け取る流れは以下の通りです。

報酬付与の審判を申し立てる

まずは後見人が家庭裁判所に「報酬付与の審判」を申し立てます。これをやらないと報酬は付与されません。申立の際には報酬付与申立書、事情説明書、後見事務の報告書、財産目録を添付する必要があります。年に度くらいの頻度で請求すると良いでしょう。

家庭裁判所で報酬付与の決定が行われる

家庭裁判所が提出書類を精査して妥当な報酬金額を決定します。決定があると後見人に審判書が送られてきます。

報酬を受け取る

審判書に書かれた通りの報酬額を本人の預貯金等の財産から受け取ります。


7章 親族による財産管理の新しい手法である家族信託

任意後見の場合には任意後見監督人、法定後見の場合には家庭裁判所に対する報告義務があって、親族後見人に負担がかかりますし、柔軟な対応が難しい側面もあります。

こういった縛りを受けず、親族による柔軟な財産管理を実現する方法が「家族信託」です。

家族信託とは、信頼できる家族に財産管理を任せる種の信託契約です。死後にも効力を残せるので、生前の財産管理だけではなく「遺言書」の代わりとしても使えます。

裁判所の関与はなく財産管理方法を自由に設計できますし、適用場面も広くメリットが多いので最近になって利用者が増えています。

ただし家族信託契約を締結するには本人に意思能力が必要です。すでに認知症が進行して話が通じない程度に判断能力が失われていたら、家族信託は利用できません(軽度な認知症なら利用できる可能性があります)。

もしも関心があれば、司法書士が家族信託の設定や契約書作成などのサポートを行いますので、ぜひご相談下さい。

家族信託について詳しく知りたい方はこちら


まとめ

生前にきちんと財産管理できていないと、せっかくの資産が散逸したり悪質業者、詐欺などの犯罪者にだまし取られたりして本人や相続人が不利益を受けてしまいます。親族が後見人にならない場合、司法書士を後見人とすることも可能です。

また家族信託という選択肢もあるので、財産管理に不安を感じる方は度専門家へご相談下さい。

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