遺産相続問題のよくある事例11選|知っておくべき相続トラブル対策

相続は「争続」と揶揄されるほど、揉めやすいものです。

どれだけ仲の良い家族・親族であっても、相続をきっかけに関係性が悪くなってしまうケースは少なくありません。

トラブルが複雑化してしまうと「家族関係が修復できなくなってしまう」など、取り返しのつかない事態になることもあります。

特に、不動産を含む相続は分割方法で揉めることが多く、最悪の場合は一緒に暮らしていた実家を失うケースも・・・。

そのような事態にならないよう、あらかじめ対策をしておくことが大切です。

この記事では、よくある相続問題と、生前にできる対策について解説します。


1章 相続問題が起こってからでは手遅れになることも

冒頭でもお話したように、相続はトラブルになりやすいものです。

トラブルを起こさないために、「どんなトラブルが起こりうるのか」を理解し、それに対する適切な対策を講じておきましょう。

金銭的なことが絡む場面ではどうしても感情的になりやすく、「自分たちは大丈夫だ」と思っていても争いに発展してしまうことは少なくありません。

そして、相続問題は一度起こってしまうと、手遅れになってしまう可能性があります。最終的には、調停や裁判などで法的な解決しか見込めず、家族間の関係性の修復といった根本的な解決は難しいからです。

そのため、相続問題において最も大切なのは「トラブルを起こさないこと」なのです。

​親族間で、誰かが亡くなった時の話をするのは少し気がひけるかもしれません。しかし、誰かが亡くなったせいで残された人が争うことは誰も望まないことでしょう。​

将来の時のことを考えると、あらかじめ親族間で話し合い、対策をしておくことをおすすめします。


2章 相続問題でよくある9つのケース

どのようなことがトラブルの原因になるのか、どのようなトラブルが起こりうるのかを理解しておくと、対策を講じる際に非常に参考になります。

ここでは、相続問題でよくあるケースを紹介します。あらかじめ理解しておきましょう。

2-1 不動産をめぐるトラブル

不動産は現金などと異なり、評価が難しい上、簡単に分割することができません。そのため、不動産を巡ってトラブルになることがあります。

相続順位図

主に以下のようなトラブルが考えられます。

①不動産を相続する人としない人で不平等になる

例えば、イラストのように兄弟3人で不動産2,000万円、現金200万円を相続した場合、遺産総額は2,200万円となりますが、土地を長男が一人で相続することになると、兄弟間で相続が不平等になってしまいます。

もし、他の兄弟が不足分を請求した場合、不動産を相続した長男は差額を補填する(代償金を支払う)必要があります。

②不動産の評価額で話し合いがまとまらない

不動産を相続する人がいる場合、その不動産をいくらとして扱うかについて相続人間で話がまとまらないことがあります。

遺産分割に際する不動産の評価方法は複数あり、相続人間で自由に決めることができます。

不動産の評価額が低いほうが、他の遺産を多く取得できたり、代償金の支払いが少く済んだりするため、不動産を相続する人はできるだけ不動産の評価額を抑えたい、その他の人は評価額を上げたいと考えるでしょう。

代償金
不動産などの遺産を取得した人の相続分が多い場合に、その分を現金等で補填する場合に発生する金銭を言います

例えば、相続税にかかる評価方法で評価をすると、多くの場合、実勢価格よりも大きく価値が下がります。そのため、その価格では納得しない方もいらっしゃるでしょう。

不動産と現金2000万円があり、兄が不動産、現金を弟が相続したとします。この不動産が相続税の評価方法では1000万円、実勢価格では2000万円の場合どうでしょうか。不動産の評価額を相続税の評価方法で「1,000万円」としたら、兄は相続額が1,000万円となり、弟に不足分となる500万円を請求することができます。そのため、弟は「不動産の評価額は実勢価格で計算して2,000万としてほしい」と主張するでしょう。

このように、不動産の評価額を巡ってトラブルになる可能性があります。

③不動産を売るか売らないかで揉める

不動産を売らずに相続したい人と、売ってそのお金を相続したい人がいる場合、話し合いがまとまらずにトラブルになる可能性があります。

④不動産の名義について揉める

不動産は、共同名義にすると扱いが難しくなります。売却や処分をする際に、名義人全員の承諾が必要ですし、名義人の誰かが亡くなった際には遠い親戚が相続して名義を共有しなければいけなくなる可能性があるからです。

しかし、他の相続人が単独名義をよく思わず、協力を得られない場合などは、不動産に名義を巡ってトラブルになる可能性があります。

不動産の分割方法

不動産を相続する際には、以下のような相続方法があります。相続人の事情や希望に応じて以下の中から適した方法を選びましょう。

こちらでもさらに詳しく解説しています

不動産を相続したら必要な相続登記と遺産の4つの分け方を簡単解説!

  • 現物分割

不動産を売却せず、そのまま相続する方法

遺産分割 現物分割

  • 換価分割

不動産を売却し、そのお金を相続人で分割する方法

換価分割 遺産分割

  • 代償分割

不動産を相続した人の相続分が多かった場合、他の相続人に現金などで補填する方法

遺産分割 代償分割

  • 共有分割

不動産を相続人数人で共有名義として相続する方法

遺産分割 共有分割

2-2 兄弟間で遺産分割の割合に関して揉める

兄弟の相続分は法律上平等です。しかし、それはあくまで「法律上」であって、兄弟にはそれぞれの言い分や希望があるでしょう。

例えば・・・
「弟は大学まで学費を払ってもらっていたのだから相続分が少なくても良いのでは」
「兄は家の購入資金を援助してもらったのだから相続分が少なくても良いのでは」
「姉は近くに住んでいて色々と面倒を見てもらっていたのだから相続分が少なくて良いのでは」
「自分は親の面倒を見てきたからその分相続分が多くても良いのでは」など

被相続人との生前の関係性などによって、兄弟それぞれの主張があり、話し合いがまとまらなくなる可能性があります。

いつまでも話し合いがまとまらない場合は、遺産分割調停・審判(裁判)をすることとなりますが、基本的に法定相続分に則って相続されることとなります。

法定相続分とは?
法定相続分とは、法律で決められた相続人が相続する相続分です。
法律では以下のように定められています。

【法定相続人の順位】
常に相続人:配偶者
第一順位:子または孫などの直系卑属
第二順位:親または祖父母などの直系尊属
第三順位:兄弟姉妹、代襲相続人
配偶者がいる場合は、配偶者が必ず法定相続人となり、それに加え、上記の順位の上位の人から法定相続人となります。

【法定相続分】
・配偶者+子・・・配偶者1/2、子1/2(子が複数人いる場合は均等に分配)
・配偶者+親・・・配偶者2/3、親1/3(親が複数人いる場合は均等に分配)
・配偶者+兄弟姉妹・・・配偶者3/4、兄弟姉妹1/4(兄弟姉妹が複数人いる場合は均等に分配)
・配偶者がいない場合・・・優先順位の高い人が100%相続する(複数人いる場合は均等に分配)

法定相続人・相続分について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

共同相続人の範囲と相続割合・必ず知っておくべき4つのポイント!
相続人とは誰?どこまで?こんな疑問を簡単解説【家系図イラスト付】

2-3 遺産に借金がある

相続するのは、プラスの財産だけではありません。借金がある場合、借金も相続することとなります。

そのため、遺産に借金がある場合はトラブルになる可能性があります。

例えば、同居していた家を相続したいけれど、遺産に借金があるといったケースでは、

  • 家と一緒に借金を相続する
  • 家を売却して借金を返済する
  • 相続放棄をして借金とともに家も手放す

のような、「借金を負うか、家を手放すか」という究極の選択を迫られる形になってしまいます。

遺産に借金があるときはどうしたらいい?

相続の方法には、以下のような3つの方法があります。

  • 単純承認
    遺産をそのまま相続する方法で、最も一般的なものです。何の手続きもしなければ自動的に単純承認となります。
  • 相続放棄
    プラス、マイナス問わず、遺産の一切の相続権を放棄する方法です。借金などのマイナスの遺産も相続せずに済みますが、プラスの財産も相続できなくなります。相続放棄をする場合は、相続の発生を知ってから3ヶ月以内に裁判所に申し立てをします。
  • 限定承認
    プラスの財産とマイナスの財産がある場合に、プラスの範囲のみだけを相続する方法です。相続したいけれど、遺産のトータルがプラスかマイナスかわからない場合には限定承認がおすすめです。限定承認も相続放棄と同様、相続の発生を知ってから3ヶ月以内に裁判所に申し立てをしなければいけません。 

遺産に借金がある場合は「相続放棄」、借金がどれだけあるかわからない場合は「限定承認」をするのが良いでしょう。

限定承認についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
限定承認はこれを読めば分かる!選択すべき3つのパターンとメリット

相続放棄についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
相続放棄とは?2つのメリットと検討の際に知っておくべき大切な注意点

2-4 遺言書の内容が偏っている

遺産分割方法 相続トラブル

遺言書がある場合、基本的には遺言書通りに相続することとなります。

しかし、遺言書の内容が「次男にすべての財産を譲る」といったように、あまりにも偏ったものだと、他の相続人は納得がいかないでしょう。

もしも、遺言書によって相続できない相続人がいる場合、その人には「遺留分」を請求する権利があります。

この遺留分の請求を巡ってトラブルになるケースは少なくありません。

遺留分とは?

相続人が遺言書などで相続できない、もしくは明らかに相続分が少ない場合に保証されている遺産取得分です。
配偶者と子または孫などの直系卑属は法定相続分の1/2、親や祖父母などの直系尊属のは法定相続分の1/3が遺留分として認められます。
遺留分を請求することで、その分の遺産を取得することが可能です。
なお、遺留分が認められるのは、
・配偶者
・子や孫などの直系卑属
・親や祖父母などの直系尊属

のみであり、兄弟姉妹や代襲相続人には認められないので注意しましょう。

遺留分についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
遺留分侵害額請求とは?基礎知識や計算方法、請求の手順まで簡単解説
遺言があっても遺留分請求される!【効果的な5つの遺留分対策とは】

2-5 遺産の独占を主張する人がいる

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「長男がすべての遺産を相続するのは当たり前だ」など、遺産の独占を主張する人は稀にいます。

戦前の法律では「家督相続」といって、長男がすべての遺産を相続することが認められている法律がありました。その名残で、上記のように主張する人がいらっしゃるのです。

しかし、この法律も現在では撤廃され、現在は兄弟は平等に相続できる権利があります。

とはいえ、主張を続けられれば、いつになっても話がまとまらず、らちがあきません。

もし、話が進まないのであれば、遺産分割調停・審判(裁判)も視野に入れましょう。ほとんどの場合、調停・審判(裁判)を経ると、法定相続分で決着が付きます。

2-6 寄与分に関して揉める

遺産分割方法 相続トラブル

被相続人の生前に、介護や身の回りの世話などを献身的に行っていた相続人には、生前の貢献度に応じて遺産が上乗せされる「寄与分」が認められるケースがあります。

しかし、場合によっては
「近くに暮らしている人が親の面倒を見るのは当然だ」
「近くに住んでいたら自分も面倒を見ていたのに」
「世話をしていた分、いい思いもしていただろう」など
他の相続人が寄与分を認めてくれないケースがあります。

親の介護や身の回りの世話は、想像以上に大変です。その分を相続分に上乗せしてほしいと考えるのも、荒唐無稽の話ではありません。

しかし、他の相続人が認めてくれなければ、話が進みません。

もし、いくら主張しても寄与分を認めてもらえない場合は、遺産分割調停・審判(裁判)も検討しましょう。

被相続人の生前に、介護などの実績があれば、寄与分が認められる可能性が高くなります。

2-7 家族による財産の使い込みが疑われる

遺産分割方法 相続トラブル

被相続人の生前に同居していたり、身の回りの世話をしたりする家族がいる場合、その家族が被相続人の財産を管理しているケースは珍しくありません。

特に、認知症になっていたり、病気などで体が不自由になっていたりする場合は、被相続人自身が財産を把握していないこともあるでしょう。

そのような場合、家族によって使い込みが疑われることがあります。

本人に自覚がなくても、同居中の日々の生活費を、被相続人の財産から捻出しているような場合でも、他の相続人としては「使い込みではないか」思うでしょう。

このように、実際に使い込みの事実がある場合はもちろん、事実がない場合でも疑われてしまうことでトラブルが生じる可能性があります。

特に、遺産が想像以上に少ない場合などは、相続人が疑心暗鬼になってしまうことがあるのです。

最終的には「やった・やってない」の水掛け論となり、話がこじれてしまうケースは珍しくありません。

介護や身の回りの世話にお金がかかってしまったのであれば、その旨をしっかりと他の相続人に伝えましょう。レシートや領収書など、使用用途を証明できるものがあればそれを提示してください。

もし、使い込みの事実があるのであれば、その家族には使った分だけ取得分を減らすよう話し合いましょう。

2-8 遺産分割協議に参加しない人がいる

遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員で行わなければいけません。最終的に作成する遺産分割協議書には、相続人全員の署名・捺印が必要だからです。

相続人が被相続人の配偶者や子供だけなら、自身が相続人である意識があるため、積極的に遺産分割協議に参加してくれるでしょう。

しかし、代襲相続が発生した場合や、被相続人に子供がいない場合、被相続人と完成性の薄い人(甥・姪など)が相続人となることがあります。

その場合、自身が相続人である意識が薄く「突然相続と言われても・・・」「ほとんど会ったことない人の相続なんて・・・」と、遺産分割協議への参加を敬遠されてしまう可能性があります。

遺産分割協議へ参加してもらわなければ、相続の手続きは進められません。しっかりと事情を説明した上で、参加してもらうようにお願いをしましょう。

遺産分割協議は対面で行う必要はありませんメールや書面(手紙)でも問題ないので、その旨を伝えることで、参加してもらいやすくなるでしょう

また、行方不明になっている人や音信不通の人がいる場合、遺産分割協議が開始されたことを通知する手段がなく、参加してもらうことができません。

その場合は、以下のような方法で対応すると良いでしょう。

  • 所在が分からない場合

被相続人の戸籍の附票を出生まで遡って取得しましょう。この行為は、相続人の調査でも必要です。被相続人と血縁関係にあれば、その戸籍の附票の中に記載あります。

戸籍の附票内には、住民票上の住所が記録されているため、その住所に手紙などを送付するようにしましょう。

  • 住民票の住所に住んでいなかったら?

住民票の住所に、居住していないというケースもあります。その場合は以下のような方法で対処しましょう。

  1. 遺産分割調停を申し立てる
    遺産分割調停を申し立てると、裁判所から相続人に対して呼出状が送付されます。そのため、行方の知れない相続人と直接連絡を取る必要はなくなります。もし、呼出状を無視した場合には自動的に遺産分割審判(裁判)に移行し、遺産分割審判にも出廷しない場合は相続する権利を失うこととなります。
  2. 「不在者財産管理人」の選任を申し立てる
    不在者財産管理人とは、住所が分からない・連絡が取れないといった行方不明者の代理で財産を管する人を選任する手続きです。不在者財産管理人は、相続に利害関係の持たない親族もしくは司法書士や弁護士などの専門家から適切な人を家庭裁判所が選任します。
代襲相続とは?

代襲相続とは、本来相続人となる人が、相続発生時点で既に亡くなっている場合に、次の代の人が相続人となることを言います。

例えば、父が亡くなった時点で、子供が既に亡くなっていた場合、子供の子供(被相続人の孫)が代襲相続人として相続することとなります。

代襲相続についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

甥・姪が相続人となる条件とは?甥・姪の代襲相続をわかりやすく解説

2-9 被相続人に子供がいない

被相続人に子供がいない場合、相続が複雑化することがあります。配偶者がすべて相続できると思われがちですが、子供がいない場合は親や兄弟姉妹(甥姪)にも相続する権利が発生します。

被相続人の親が存命であれば、親が、親はいないが兄弟がいれば兄弟が相続人となります。兄弟が亡くなっている場合は、代襲相続が発生し、甥・姪が相続人となります。

配偶者としては、今後の生活もあるため、遺産が他の相続人に渡ってしまうと困ることもあるでしょう。遺産のほとんどが不動産(暮らしている家)である場合、他の相続人に相続分を主張されてしまうと、売却して相続分を譲らなければいけません。

非常に理不尽に感じますが、法律で決められている以上、主張された相続権を拒否することは難しいと言えます。

子供がいない夫婦は、特に生前の対策が必要です。

なぜ、配偶者以外の相続人が発生する?

前述しましたが、法律上、以下の順位にのっとって相続人が決められます。

遺産分割協議

配偶者に加えて、第一順位の人、第一順位がいなければ第二順位、第二順位がいなければ第三順位の人が相続人となります。そのため、相続人が配偶者のみになるのは、被相続人に親・兄弟、さらに甥・姪もいない場合となります。

※兄弟・姉妹が亡くなっている場合でも、甥・姪がいれば代襲相続が発生し、甥・姪が相続人となります。

2-10 相続人の人数が多い

多くの場合、相続人は配偶者と子供になりますが、事情によっては相続人が多くなるケースがあります。

相続人が多くなれば、その分それぞれの主張が増えることになりますし、全員と遺産分割協議を行わなければいけません。トラブルになるリスクは相続人の人数に比例して高くなると言えます。

被相続人に、仲の悪い人や前妻(愛人)との子がいる場合は、特に注意が必要です。

もし、相続人が多くなることが予想される場合は、あらかじめ遺言書などで相続の内容を整理しておくことが大切です。

相続人が多くなるケースとは?

【①代襲相続が発生するケース】

例えば被相続人の子が既に亡くなっていて、代襲相続が発生する場合、亡くなっている子の子が複数人いる場合はその分相続人が増えます。

甥・姪が相続人となる条件とは?甥・姪の代襲相続をわかりやすく解説

【②前妻・愛人との子、隠し子がいるケース】

愛人や隠し子が複数人いるケースは非常に稀ですが、前妻との間に何人か子供がいるケースは珍しくありません。この場合、後妻との間の子との関係性はほどんどないことが多いため、非常にトラブルになりやすくなるので注意しましょう。

前妻との子にも相続権はある!相続の注意点と相続させない方法

【③養子縁組をしているケース】

法定相続人を増やすことは節税にもつながるため、あえて孫などを養子縁組している方もいます。節税のためと養子縁組をしたにも関わらず、相続人が増えたことでトラブルになってしまえば本末転倒なので、あらかじめ対策をしておきましょう。

養子の相続|これだけは知っておきたい7つのポイント【相関図付き】

2-11 愛人の子を名乗る人が出てくる

相続が開始されてから、誰も認識していない愛人の子や隠し子は出現した場合、トラブルになるでしょう。

これまで長らく共に暮らしてきた親の財産を、見ず知らずの人に相続させるのは嫌ですよね。しかし、法律上、愛人の子や隠し子であっても、「被相続人の子」として平等に相続権を有します

「被相続人の子」として、相続権を主張されたら拒否することは難しいでしょう。

トラブルにならないためにも、遺言書を作成しておくこと強くおすすめします。

腹違いの兄弟と一緒に相続する場合など、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。


3章 相続問題を起こさないための対策

1章でもお話した通り、相続問題は起こってからでは手遅れになることがあります。

揉めてしまって、話がまとまらない場合は遺産分割調停や審判(裁判)で解決するしか方法がないからです。

トラブルにならないよう、事前に以下のような対策をしておきましょう。

3-1 家族で話し合っておく

シンプルですが、最も大切なのは「家族での話し合い」です。

相続になった際に「誰が、何を、どれだけ相続するか」ということはあらかじめ話しておくと、いざという時にスムーズに相続を進めることができます。

また、親が高齢になると、認知症のリスクも高くなり、話し合いはおろか、遺言書の作成などの対策すらままならなくなってしまいます。

そのため、親が元気なうちに話しておくことが大切です。

話し合う際は、以下のような内容について相談しましょう。

  • 家・土地はどうするか(誰が相続するか、売るか、など)
  • 配偶者が残された場合どうするか
  • 長男には家を購入したからその分次男に多く遺産を残す
  • 長女は色々と面倒を見てくれているから、その分遺産を上乗せする など

とはいえ、「親が亡くなった時に・・・」という話は切り出しにくいですよね。しかし、だからといって避け続けていると、後々後悔することとなります。

「テレビで、相続で揉めている話を見たんだけど・・・」「相続トラブルに関する記事を見たんだけど・・・」と、当たり障りない話から切り出してみると良いでしょう。

3-2 遺言書を書いておく

遺言書を作成しておけば、希望する人に、希望する財産を相続させることができるため、あらゆるトラブルを回避することが可能です。

例えば、不動産の相続であっても、あらかじめ相続させる人を決めておけば問題なく相続を進められますし、前妻との子がいる場合でも対策が可能です。

このように、遺言書の作成は、生前の対策として非常に有効です。

ただし、2-3でもお話した通り、あまりにも遺言書の内容が偏っていると、遺留分を巡ってトラブルになる可能性があります。

問題のない内容にするためにも、司法書士や弁護士などの専門家へ相談した上で作成することをおすすめします。

遺言書についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

3-3 財産目録を作っておく

財産目録とは、被相続人の財産を明記した一覧表です。

トラブルとは行きませんが、相続発生時に「財産がどこにあるか分からない」「財産の全容が分からない」など、財産が不明瞭なせいで相続人が困ることがあります。

財産目録を作成しておけば、相続発生時に相続人が相続財産を一目で把握することができるため、非常に便利です。

なお、借金がある場合にはその旨も記載しておきましょう。相続人が把握できない借金があると、それもトラブルの原因になってしまいます。

3-4 財産管理をしている人は他の家族に情報共有する

親などの家族の財産を管理している方は、定期的に財産の支出について他の家族に共有しておきましょう。

共有することで、使い込みの疑いを欠けられることを防ぐことができます。

難しいことをする必要はありません。日々の家計簿や領収書・レシートなどを残しておき、共有するだけでも効果はあります。

3-5 家族信託を活用する

家族信託とは、信頼できる家族に自身の財産を託し、適切に財産の管理・処分をしてもらう方法です。

家族間で自由に契約内容を決めることができるため、それぞれの事情に合わせて柔軟に財産管理を行うことができます。

また、家族信託では自身が亡くなった後の相続人に加え、さらにその次の相続人まで決めることが可能です。例えば、「自身が亡くなったときには一度妻に相続し、妻が亡くなったときには長男に相続する」というように決めておけるのです。

遺言書では、自身が亡くなった時の相続人しか指定できないため、次の相続人も決めておきたいという場合には家族信託が有効です。

とはいえ、家族信託・遺言書、それぞれにできることとできないことがありますので、併用するのがよいでしょう。

家族信託は、家族ごとに柔軟に対応できるので、家族信託に詳しい司法書士などの専門家と相談しながら行うことをおすすめします。

家族信託についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

3-6 生命保険を活用する

生命保険金は、相続財産として扱われないため、遺留分を請求されることもありません

遺留分を請求されることが予想される場合は、生命保険を活用するのも良いでしょう。

ただし、生命保険金は「みなし相続財産」といい、相続税の課税対象となります。通常の相続の場合、基礎控除が【3000万円+(600万円×法定相続人)】であるのに対し、生命保険金の控除は【500万円×法定相続人】となり、控除額が下がるため注意が必要です。

詳しくはこちらをご覧ください

3-7 エンディングノートを作成する

エンディングノートは、遺言書と異なり、自由に作成することができます。

遺産のことだけでなく、病気になった時の対応方法や、葬儀・お墓のことなど、「家族に向けた手紙」として、カジュアルな形で残しておきましょう

「家族へ気持ちを伝える」には、遺言書よりも有効です。

ただし、遺言書のように法的効力はないため、必ず内容通りになるとは限りません。そのため遺産分割の内容については、遺言書に記載しておくことをおすすめします。

グリーン司法書士法人では、オリジナルのエンディングノートを無料で提供しております。

こちらからダウンロードできますので、ぜひご活用ください。


4章 どうしても解決しない時は

もしも、相続トラブルが起こってしまい、どうしても解決が見込めない場合か以下のような方法で解決を目指しましょう。

4-1 遺産分割調停・審判

話し合いでまとまらないときには、裁判所で行う「遺産分割調停」をしましょう。

遺産分割調停では、調停員が話し合いの仲介をしてくれます。

しかし、調停員はあくまで「中立な立場」であるため、遺産分割について強制力はもちません。そのため、調停をしても一向に話がまとまらない時もあります。

その場合は、遺産分割審判(裁判)に移ります。(審判は、調停を経なければできません)

遺産分割審判では、最終的に裁判官が判決を下すため、その内容に従うこととなります。ほとんどの場合、法定相続分にのっとって決定されるようです。

4-2 専門家に依頼する

話し合いはまとまらず、争いまで発展した場合は専門家への依頼も検討しましょう。

●争いになったら弁護士へ相談

弁護士は、争いを解決に導く法律のプロです。調停や審判の際にも強い味方となってくれるので心強いでしょう。交渉事も依頼者にとって最大の利益となるよう進めてくれます。なお、弁護士の特徴としては「どちらか一方の代理人」となるので、相手方とは対立構造になります。

●争いになってはいないが、顔を合わせたくないときは司法書士へ相談

争いまでは発展していないが、当事者同士で直接連絡をとったり、顔を合わせるのは避けたいという場合は、司法書士へ依頼することも可能です。依頼すれば書類作成や相続人間の連絡などを代理で行ってくれます。司法書士の特徴としては「双方の代理人」となることができるので、争いになっていない場合には最適です。


まとめ

相続問題は、トラブルになりやすい問題です。また、トラブルが起こってからでは手遅れになってしまう可能性があります。

トラブルにならないためにも、予想されるトラブルを理解し、その上で適切な対策を講じましょう。

なお、相続の対策は、誤った方法を取ってしまうと逆効果になってしまう可能性があります。

適切な対策を講じるためにも、司法書士や弁護士などの専門家に相談した上で検討するのが良いでしょう。

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