相続登記の期限は?手続を放置することでふりかかる5つのリスク

相続登記 期限

はじめに

相続登記をしないといけないことはわかっているが、面倒なのでなかなか手を付けられずにいる。

期限があるなら、なんとか期限内に終わらせなければならない。

そうお考えでこの記事を読まれているのではないでしょうか。
特に、日々の仕事で忙しい方、他の相続人と疎遠な方などは、なかなか手続にとりかかろうとも思えないものです。
結論からお伝えすれば、相続登記に「法律上の」期限はありません。
しかし、相続登記は放置すればするほど、面倒でやっかいなものになります。
そこで今回は、相続登記には期限がないにもかかわらず、なぜ早く手続をしなければならないかを説明します。

司法書士として日々業務を行っていると、相続登記を速やかに行わなかったために、費用が5倍以上かかってしまったり、手続に1年以上かかってしまったりというケースにも出会います。
また、政策上、相続登記を義務化しようという流れがあり、いずれ相続登記はしなくてはならないものになる可能性が高いです。

この記事を読んで、相続登記を放置するリスクを知っておきましょう。
そして、面倒な相続登記に着手するモチベーションとしていただければ幸いです。

1章 相続登記には期限がない

繰り返しになりますが、

相続登記に「法律上の」期限はありません。

極端な話、相続が起こってから100年後に相続登記を申請しても受理されますし、ましてや罰金を払わないといけなかったり罪に問われたりということはありません。

しかし、相続登記を後回しにしてしまうと、様々なリスクが発生するのです。

2章 相続登記を放置することのリスク

2-1 相続人が増加して相続人間の話がまとまりにくくなる

通常相続登記を申請する前には、相続人全員で不動産を誰の名義にするか話し合います(この話合いを遺産分割協議といいます)。
ところが、相続登記を長年放置してしまうと、話し合いの相手である相続人自体も亡くなってしまうということがあります。
この場合、相続人の相続人と話し合う必要が出てきます。

相続登記 期限

例えば、すぐに相続登記をすれば4人の話合いで済む場合でも、世代が進んでいくと16人で話合いをしないといけないということもあります。
関係性が薄い16人の住所や連絡先を調べ、話合いをまとめる難しさは想像に難くないでしょう。

実際の業務では16人の話合いでもマシな方で、これに養子縁組・認知・相続放棄などが絡んでもっと複雑になることもあります。
こんなときは時間も費用もかかって、非常に大変な思いをします。
関係者が増えてしまう前に手続にとりかかりましょう。

2-2 相続人が認知症などになって遺産分割協議が難航する

相続登記 期限

遺産分割協議が難しくなるのは相続人の人数が増加したときだけではありません。
相続人の一部が認知症になって判断能力が低下した場合、遺産分割協議をしても法律上無効になってしまいます。
このような場合、認知症の人に代わって遺産分割協議をする「成年後見人」の選任を裁判所に申立てることで、手続きを進めることが可能です。
しかし、成年後見人の選任申立の手続には数ヶ月がかかりますし、費用も余分にかかってしまいます。

また、成年後見人は認知症の人の相続権を確保する必要があるため、不動産の権利をなかなか放棄してくれず、最悪の場合には他の相続人が不動産を活用できなくなってしまいます。
他にも相続人の一部が行方不明になってしまうこともあるでしょう。
このような場合は、不在者に代わる「不在者財産管理人」を選任して手続きを進めることになりますが、これもまた時間・費用がかかりますし、成年後見人と同様に不動産の権利をなかなか放棄してくれません。

遺産分割・相続登記はできるうちにやっておくというのを心がけるようにしましょう。

2-3 公的書類の保存期間が経過して相続登記のための書類が準備できなくなる

相続登記 期限

相続登記を申請するときには、相続があったことなどを証明するために戸籍などの公的書類を提出します。しかし、各公的書類には保存期間が定められていますので、手続をしようと思いたったときには、時すでに遅し・・・ということもありえます。
具体的には、各書類の保存期間は次の通りとなっています。

・戸籍(除籍) 150年(古い戸籍は50年や80年しか保存されていないケースもあります。)
・住民票(の除票) 5年
・除籍の附票    5年
・改製原戸籍の附票 5年

最近は保存期間が過ぎても多少の間であれば廃棄しないという方針の役所もあるようです。
しかし、いずれにしても期間がたつほど必要書類を取得できないリスクが高まります。
最悪の場合、自分の不動産なのに名義変更ができなかったり、特殊な書類が必要になって余計な手間がかかったりということにもなりますので、早めに相続登記を行いましょう。

2-4 すぐに相続した不動産を売却したり担保として提供できなくなる

相続した不動産を売却したり、担保に入れてお金を借りたりするためには、法律上相続登記をしておく必要があります。
よって、予め相続登記をしておかないと、

不動産の相場が上がってきたので売却したい!
事業を始めるので不動産を担保にしてお金を借りたい!

と思ってもすぐに実行に移せなくなってしまいます。

残念なケースとして、すぐに不動産を売却したり担保に入れたりしたいがために、遺産分割を適当に終わらせてあとで相続人同士でトラブルに発展したり、余分な税金がかかってしまったりということがあります。相続登記には意外と時間がかかる場合もありますので、早めに着手するようにしてください。

2-5 不動産の権利を失うことがある

相続人と遺産分割協議をして不動産を取得することとなったとしても、相続登記を放置してしまうとその権利を失ってしまうことがあります

相続登記 期限

上記の図では、Aさんがもう1人の相続人であるBさんに遺産分割協議で不動産を渡し、後日Cさんにも売買で不動産を渡しています。
このような二重譲渡のケースでは、判例上、最初に登記を行った方が不動産の権利を確定的に取得することができます。
よって、相続登記により名義を自分にいれるまでは、確実に自分のものになったとは言えません。

なお、特に気をつけなければならないのが、Aさんが借金を背負っていた場合です。
なぜなら、Aさんが返済不能に陥って不動産を差押されてしまった場合も、同様の問題が発生するからです。

相続登記 期限

相続登記を放置すると、最悪の場合は不動産の権利を喪失します。
これが自分の自宅だったり先祖代々の土地だったりすると取り返しのつかないことになるでしょう。
遺産分割協議が終われば直ちに相続登記に移るようにしましょう。

3章 相続登記 ~期限はないが相続発生後10ヶ月以内に終わらせよう~

以上の通り、相続登記はできる限り早く済ませておくべきものです。
そのうえで、あえていつまでに相続登記を済ませるべきか尋ねられた場合、私は相続発生から10ヶ月までであると回答することにしています。
 なぜなら、相続登記を申請する前には遺産分割協議を通常行いますが、相続があってから10ヶ月以内にしなければならない相続税の申告の前にも遺産分割協議を行うことが多いからです。
もちろんこれはギリギリのラインです。
相続登記は早いに越したことがないということはご理解ください。

まとめ

期限がないといわれる相続登記ですが、放置することのリスクはたくさんあります。

この記事をきっかけに相続登記にとりかかっていただければ幸いです。

別記事で相続登記の手順と方法を解説しています。本記事と少し内容が重なるところもありますが、参考にしてみてください。

【保存版】司法書士がわかりやすく解説する不動産の相続登記の手順と方法

また、相続手続には、それこそ法律上の期限があるものがたくさんあります。

何か忘れてしまっているものがないか・・・と不安な方はこちらの記事をご覧下さい。

【時系列順】親が亡くなってから四十九日までにやる事と必要な相続手続き【保存版】

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