【司法書士が伝授する】相続登記にかかる登録免許税の計算方法

相続 登録免許税

不動産を相続した際には、相続登記…いわゆる不動産の名義変更をする必要があります。
ところが、この名義変更、タダではできません。名義変更を行うには、国に対して「登録免許税」という税金を納付しなければならないのです!
しかしこの税金、いったいいくら納めれば良いのでしょうか?
不親切なことに、税金額は自分で計算しなければならず、ここで悩んで手続きが止まってしまう人も多いのではないかと思います。
そこでこの記事では、登録免許税の計算方法を現役の司法書士が徹底解説!
登録免許税の額が分からず悩んでおられる方の参考になればと思います。

1章 相続による名義変更にかかる登録免許税とは

それではさっそく見ていきましょう。まずは登録免許税の概要や税率、気になる免税・減税措置についてご説明します。

1-1 どんなときにかかる税金なの?

登録免許税とは、不動産の名義変更を行う際に課せられる税金です。相続による名義変更については、不動産の固定資産評価額の【1000分の4(0.4%)】の登録免許税が課税されます。
なおこの登録免許税はあくまでも「名義変更」に対する課税です。なので、財産を「相続した」ことにより課せられる相続税とはまた別個の税金であり、相続税をきちんと納税した人でも、名義変更に際しては別途登録免許税を納める必要があります。

1-2 免税や減税措置はあるの?

相続による名義変更については、残念ながら登録免許税の免税・減税措置はありません
売買や贈与を原因とする名義変更については2%の税率で登録免許税が課せられるところ、相続の場合は最初から0.4%(5分の1。安い!)という低い税率が設定されているため、これ以上の減税措置は無い…ということです。

2章 登録免許税の計算方法

それでは本記事のメインテーマ、計算方法についてご説明します。もしお手元に資料があれば、それも横目に見ながらお読み下さい。

2-1 用意する資料は?

登録免許税の計算に当たっては、まず【不動産の評価額】を把握しなければなりません。

不動産をお持ちの方なら誰でも、固定資産税を毎年払っていることでしょう。
この税金を算出するため、市町村が独自のルールではじき出したのが、不動産の【不動産の評価額】であり、この評価額を把握するため、【固定資産評価証明書】または【課税明細書】のどちらかをご用意下さい。

①課税明細書

証明書 登録免許税

毎年4~5月頃に固定資産税の納税通知書(振込用紙)が送られてきますが、これにオマケとして付いてくる明細が【課税明細書】です。この書類には、税金の算定根拠として不動産の評価額が記載されているので、計算資料として使えます。
自治体ごとにフォーマットが異なる場合がありますが、サンプルのような内容が記載されています。
納税通知書にオマケとして付いてくるので、タダというのが魅力的です。また、勝手に送られてくるので、役所に書類を取りに行く時間も省けます。
なので、もしお手元に残っていれば、【課税明細書】を使用して計算するのがオススメです。

②固定資産評価証明書

【課税明細書】が手元にない場合はこちらの書類を用意しましょう。
各市町村が管理している、不動産評価額などの情報が記載された証明書が【固定資産評価証明書】です。
自治体ごとにフォーマットが異なる場合がありますが、おおむね上のサンプルに近いものが発行されます。
この書類は、市役所の市税課や、政令指定都市クラスなら市税事務所にて発行してもらえます。
発行手数料は1物件300円程度なのですが、請求するに際しては、戸籍を添付する必要があります。

必要な戸籍は

①「死亡」の記載がある被相続人の戸籍 
②被相続人との続柄が分かる請求者自身

の戸籍の2種類です。この戸籍を集めてから請求しましょう。
ちなみにこの戸籍2種類は、相続登記の申請に必要な戸籍の一部でもあります。

2-2 資料のここをチェック!

この資料に載っている各種情報のうち、【評価額】あるいは【価格】と題された金額をチェックしましょう。この金額こそが、登録免許税計算のカギを握る存在です。サンプル画像中、〇で強調している部分が該当します。なお「固定資産税課税標準額」やら「都市計画税課税標準額」やら、他に金額が載っているかと思いますが、そこは見なくていいです。
※各金額のタイトルがどのような表現になっているかは市町村ごとに差異があります。

ちなみに、この評価証明書は毎年4月に改定されるものです。なので名義変更にあたっては、今現在の評価額を証明するため、必ず【最新年度のもの】を用意する必要があります。この他にも、固定資産評価証明書にまつわるチェックポイントや注意点、発行機関など詳しく知りたい方はこちらの記事も併せて是非お読み下さい。

2-3 計算方法4Step

それでは計算方法のご説明です。
次の3つの不動産を相続した場合を例として、計算の4Stepをご説明します。

Ex) 固定資産評価額 1327万8421円の建物
      〃     2112万3974円の土地
      〃         376万5923円の土地

 

Step1 全ての不動産の評価額を合算する

       →3816万8318万円       

Step2  合算額のうち、1000円未満の端数を切り捨てる

       →3816万8000円…【課税標準額】と呼びます

Step3 課税標準額に、税率(相続の場合は0.4%)を掛ける

       →3816万8000円 × 0.4% =15万2672円

Step4  Step3で算出した金額のうち、100円未満の金額を切り捨てる

       →15万2600円…最終的な登録免許税

いかがでしょうか?今回の場合、以上の4Stepを経て算出した15万2600円が、不動産3つについての名義変更に際して納めるべき登録免許税です。                                     
なお市区町村によっては、固定資産評価証明書に記載されている評価額が、最初から1000円未満の端数を切り捨てた額で記載されている場合もあります。

2-4 イレギュラーなパターン

① 4Stepを経た計算結果が1000円未満の場合

登録明許税の最低の税金額は1000円と定められています。従って、4Stepを経た計算結果が1000円未満の場合でも、最低金額たる1000円の登録免許税を納める必要があります。

Ex)4Stepの計算結果が700円 → 登録免許税は1000円

田舎の方では不動産の評価額が低くなるため、時々この様な計算結果を見かけます。

② 非課税の不動産で、評価額が不明の場合

道路が代表例なのですが、個人の所有不動産でも固定資産税が非課税となっている不動産があります。が、これはあくまでも「固定資産税が非課税」というだけであり、非課税不動産の名義変更であっても「登録免許税」はバッチリ課税されます!

この場合、登録免許税の計算はもちろん、そもそもの「不動産評価額」をも自分で算出する必要があるため極めて専門的な知識が必要となります。なので、道路部分など、非課税になっている不動産を相続した場合の名義変更は、司法書士など専門家に依頼することを強くオススメします。

3章 登録免許税の納め方

税金の額は分かったけれども、これをどうやって納めるの…?という疑問にお答えして、最後に納税方法についてご説明します。

3-1 どこにどうやって納めるの?

収入印紙を購入し、それを名義変更の申請書に張り付けて法務局へ提出する方法になります。
法務局に現金で納める訳ではありません。

3-2 収入印紙ってどこで買うの?

お近くの郵便局で購入できます。ちなみにコンビニでも収入印紙は売っていますが、200円程度の少額の印紙しか取り扱っていないため、郵便局で購入するのが間違いなくベターです。
また大きな法務局なら、中に印紙専門の売店が入っていることもあります。

4章 まとめ

今回は相続登記に必要な登録免許税の計算方法について書きましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事を読んで、ご自身でバッチリ税金額を計算できるようになれば幸いです。
今回のテーマである相続による名義変更に際しては、残念ながら税金の免税・減税措置はありませんでしたが、売買や贈与による名義変更の際には減税措置が適用される場合があります。もちろん減税措置を受けるには要件が色々あるのですが、気になる方は、お近くの司法書士事務所に問い合わせてみましょう。

ここまでお読み頂きありがとうございました。