共同相続人の範囲と相続割合・必ず知っておくべき4つのポイント!

共同相続人 アイキャッチ

銀行などで遺産相続に関する手続きをしようとすると「共同相続人全員で申請してください」などと言われるケースがあります。

「共同相続人」とは書いて字のごとく「共同で相続する人」です。つまり、そのケースで法定相続人(法律によって相続できると決まっている人)となっている人同士のことを指します。相続が起こったとき、複数の相続人がいたらそれらの人は全員「共同相続人」です。

基本的に共同相続人と法定相続人は同じ人ですが、法定相続人が一人であれば共同相続人とは言いません。

今回は「共同相続人」の範囲や相続割合、自分以外の共同相続人の調べ方など遺産相続に必要な知識をご紹介していきます。


1章 共同相続人とは

共同相続人とは「相続人が複数いるので被相続人の死亡後に遺産を共有することとなった人たち」です。遺産を相続するとき、複数の人が相続人になるケースはとても多数ですが、その場合、法定相続人となる全員が共同相続人です。

共同相続人とは

法定相続人=共同相続人

法定相続人とは、民法によって「相続人」とされる人です。法定相続人が複数いたら「共同相続人」となるので、その場合には「法定相続人=共同相続人」です。

ただし法定相続人が一人の場合には「共同」する人がいないので共同相続人にはなりません。

遺産分割が済むと共同相続人ではなくなる

共同相続人は、不動産などの遺産を共有します。共有状態を解消するには「遺産分割協議」などによって遺産の分け方を決定する必要があります。

遺産分割協議が成立してそれぞれの遺産を相続人が単独所有するようになったら、そのときには共同相続人とは言いません。
共同相続人は、「相続開始後遺産分割成立時までの相続人同士の関係」と考えると、わかりやすいでしょう。

一般的に共同相続人と法定相続人を区別する必要はあまりありません。


2章 共同相続人の範囲と相続割合

共同相続人は法定相続人と同じなので、民法によってその範囲が決められています。
それぞれの共同相続人の「相続割合」も民法によって定められます。

以下では共同相続人の範囲や相続割合を確かめていきましょう。

2-1 共同相続人の範囲

相続税 基礎控除

配偶者

亡くなった人の「配偶者(夫や妻)」は常に共同相続人となります。

子ども

配偶者以外の相続人には優先順位があり、もっとも優先される第1順位の共同相続人は「子ども」です。
子どもが親より先に死亡していたら孫が相続人となり、孫も先に死亡していたらひ孫が相続人になります。

子どもや孫などがいない場合、第2順位の共同相続人は「親」です。
親が子どもより先に死亡していたら祖父母、祖父母が死亡して曾祖父母が生きていたら曾祖父母が共同相続人となります。

兄弟姉妹

子どもも親もいない場合には、第3順位の「兄弟姉妹」が共同相続人となります。
兄弟姉妹が先に死亡していたらその子どもである甥姪が共同相続人です。甥姪も先に死亡している場合、その子どもは相続人に「ならない」ので注意が必要です。

2-2 共同相続人の相続割合

パターンごとの共同相続人の相続割合をみていきましょう。

まずは相続割合に関する表をご確認ください(配偶者が健在かどうかで場合分けしています。)

配偶者の有無による相続割合図

 

 

以下、表の解説です。

配偶者のみが単独の相続人(①4段目)

配偶者が100%。この場合、配偶者一人なので共同相続人はいません。

配偶者と子ども(孫)が共同相続人(①1段目)

配偶者が2分の1、子どもや孫が2分の1。子どもが複数いたら、2分の1の割合を子どもの頭数で割り算します。

子どものみが共同相続人(②1段目)

子どもの人数に応じて均等に相続します。子どもが一人しかいなければ、その子どもが100%相続します。

配偶者と親(祖父母)が共同相続人(①2段目)

配偶者が3分の2、親が3分の1を相続します。両親が存命の場合、父母がそれぞれ6分の1ずつとなります。

親のみが共同相続人(②2段目)

親が2分の1ずつ相続します。片親しかいなければその親が100%相続します。

配偶者と兄弟姉妹(甥姪)が共同相続人(①3段目)

配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1。兄弟姉妹が複数いる場合には、4分の1を人数で頭割り計算します。

兄弟姉妹のみが共同相続人(②3段目)

兄弟姉妹の人数に応じて均等に相続します。兄弟姉妹が一人しかいない場合、その人が100%相続します。


3章 共同相続人が知っておくべき4つのポイント

共同相続人がいる場合、専門家の目から見て以下の4つのポイントについては必ず知っておくべきと考えます。

3-1 相続手続きは共同相続人全員の関与が必要

遺産相続をしたら、不動産の名義書換や預貯金の払い戻し、株式の名義変更などいろいろな相続手続きをしなければなりません。その前提として遺産分割協議が必要です。

遺産分割協議や調停、各種の相続手続きには「必ず共同相続人全員が参加しなければなりません。」一人でも欠けると遺産分割協議は無効になりますし、相続手続きも受け付けてもらえません。そこで遺産相続するときには、必ず事前に共同相続人を全員明らかにしておく必要があります。

3-2 相続放棄すれば共同相続人から外れることができる

共同相続人になっている場合でも、「遺産を受け取りたくない」、「関心がない」といったケースもあるでしょう。そのようなときには「相続放棄」をすると、共同相続人の立場から離れることが可能です。相続放棄とは、家庭裁判所で手続きをすることにより、始めから相続人でなかったことになる手続きです。

相続放棄が受理されたら共同相続人でなくなるので、遺産分割協議に参加する必要はなくなりますし相続トラブルに巻き込まれる可能性もなくなります。

相続放棄は、一般的には「借金を相続したくない」場合などによく利用されます。

また相続放棄の申述には、基本的に「相続開始を知ってから3か月以内」という期間制限があるので、共同相続人から外れたいなら早めに手続きをしましょう。

3-3相続手続きは10か月以内に行うのがベスト

遺産相続は、相続開始から10か月以内に行うのがベストです。

共同相続人になったら、遺産分割協議や不動産の名義変更など各種の遺産相続手続きをしなければなりません。これらの手続きには「期限」がないものが多く、基本的にはいつまでかかってもかまいません。放置していてもペナルティはありません。

しかし相続税の申告までに遺産分割協議が成立していない場合、配偶者控除や小規模宅地の特例などの相続税の控除制度が適用されないので、相続税額が大幅に上がってしまうリスクが発生します。

その場合でも控除を適用させるのは不可能ではありませんが大変面倒な手続きが必要になりますし、いったんは高額な相続税を支払って後で還付を受けることになります。

相続税の申告・納税期限は「相続開始後10か月以内」です。

そこで、相続税が発生する事案では特に相続手続きを10か月以内に行うことをお勧めしています。

3-4相続できる割合を侵害されたときの対処法

ときには遺言書が残されていて、特定の共同相続人の取得割合が増やされたり、反対に特定の共同相続人の取得割合が極端に減らされたり0にされたりすることがあります。

このように、共同相続人であるにもかかわらず相続割合を極端に減らされた場合(無しにされた場合も含む)には、「遺留分」を取り戻すことが可能です。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の共同相続人(法定相続人)に認められる最低限の遺産取得割合です。

遺留分を侵害されたら、侵害した受遺者(遺贈を受けた人)や相続人へ遺留分侵害額請求をして、お金で取り戻せます。その手続きを遺留分侵害額請求と言います。

遺留分の請求期限は「相続開始と遺留分侵害を知ってから1年」なので、早期に対応しましょう。


4章 共同相続人の調べ方

遺産分けのために遺産分割協議をするには、他にどのような共同相続人がいるのかを調べなければなりません。

「家族だけしかいないから、わざわざ共同相続人を調べる必要はない」と思っていても、実際には今の家族が知らなかった以前の妻(夫)の子どもがいるケースや認知した子どもがいるケースなどもあります。ま
た、相続人を調べないと、不動産の名義書換や預貯金の手続きなども受け付けてもらえません。必ず相続人調査は必要な手続きです。

以下では共同相続人の調べ方をご説明します。

4-1 共同相続人は戸籍収集して調べる

自分以外にどのような共同相続人がいるか正確に把握するためには、亡くなった方の「出生時から死亡するまでのすべての戸籍謄本(全部事項証明書)、除籍謄本(全部事項証明書)、改正原戸籍謄本」を集めます

戸籍謄本は現在の戸籍内容を記載したもの、除籍謄本は中に入っている人が全員死亡または他の戸籍に出ていっていなくなっているもの、改正原戸籍謄本は法改正や制度改正などによって戸籍が作り直された場合に残された古い方の戸籍謄本です。

生まれてから死亡するまでの間に結婚、離婚、本籍地の移転、養子縁組、子どもの認知などをしていたら、上記の戸籍謄本類のどこかに記載されます。そこで「全部漏れなく」集めることで、被相続人の相続関係を正確に把握できるのです。

共同相続人を調べるには、戸籍謄本類を1つ1つ全部入手していかねばならないので、慣れていないと「大変な作業」と感じる方が多数です。特に古い戸籍の場合、とても読みにくい手書きの文字が書いてあったりして、慣れない方だと何を書いているのか分からないケースもあります(古い戸籍のサンプルを載せますので確認してみてください。)

戸籍サンプル

 

4-2 戸籍謄本類の集め方

「そんな大量の戸籍謄本をどうやって集めたら良いのか?」と思われるかも知れませんので、戸籍謄本類の収集方法を説明します。

どこで取得できるの?

戸籍には「本籍地」があり、戸籍謄本類は「本籍地」のある市区町村役場で保管されています。そこで11つ、本籍地の役所に申請をして集めていく必要があります。

1つの本籍地にすべての戸籍謄本類があれば簡単ですが、本籍地を移している場合には11つ追いかけていって異なる市町村役場に申請して取得していきます。

発行してもらう方法

戸籍謄本を発行してもらいたい場合、相続人であることがわかる資料と身分証明書を提示して申請書を書けば、その場で受け取れます。

遠方の場合は郵送で申請可能

遠方の場合には、郵送での申請も可能です。その場合「戸籍(除籍、改正原戸籍謄本)の申請書」と「定額小為替(発行手数料)」「返信用の郵便切手」を送れば、役所から返送してもらえます。

料金は、戸籍謄本なら1450円、除籍謄本や改正原戸籍謄本は1750円程度です。

さらに細かい戸籍の収集方法はこちらの記事で解説していますので、興味のある方はご確認ください。


まとめ

相続人は自分一人、あるいは自分たち家族だけ、と思っていてもまったく知らない共同相続人がいる場合もあります。

共同相続人を調べるのは大変な作業となりますし、自分たちで取り組んで抜け漏れが発生したら遺産分割協議が無効になってしまうおそれも高くなります。

確実に共同相続人を調べるため、専門家へ任せましょう。当事務所では共同相続人調査を始めとして不動産の名義変更などの相続手続きに至るまで、幅広く相続支援を行っています。

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