【必読!】相続人に未成年者がいるときの注意点|遺産分割から借金まで

未成年 相続 アイキャッチ

「相続人の中に未成年がいたら、特別な手続きが必要になるの?」

「子どもの相続手続きは、親が全部代わってできるのかな?」

未成年のお子様が相続人になっているけど、どうやって相続を進めて行っていいのか分からずにお困りなのではないでしょうか。

このような場合、成人だけが相続するケースとは異なる注意が必要です。特に子どもと母親や子どもと父親が同時に相続人になるケースでは、「特別代理人」の選任が必要になる可能性が高くなります。

今回は、過去の相談の経験から、間違いやすい未成年者がいるときの遺産分割の方法や、借金が残されている場合の対処方法を解説しますので、困りごとの解決にお役立てください。

1章 親が代理で遺産分割協議できないことがある

子どもが契約など(法律行為)をするときには、通常は「法定代理人」である親が代理で手続きをできます。

しかし遺産分割協議の場合には、通常どおりに代理ができない可能性があります。どのようなケースにおいて、なぜ遺産分割協議の代理ができないのか、以下でみていきましょう。

1-1 未成年相続人がいる場合の最大の注意点

未成年の相続人がいる場合には、一人では遺産を分ける話合い(遺産分割協議)をすることができないので注意が必要です。

未成年者とは歳以上20歳未満の人のことです。ただし生まれる前の「胎児」には相続権が認められます。そこで、妊娠中に父親が死亡してその後に生まれたケースでは、その子は相続人になることが可能です。また20歳未満であっても婚姻すると法律上成人扱いされるので、問題になるのは未婚の未成年者の場合です。

(民法改正により、成年年齢が18歳に引き下げられるため、2022年4月1日以降、18歳未満が未成年者となります。)

未成年者が相続人になる場合、未成年者自身では遺産分割を行えないので、法定代理人(通常は親)が代理して進めることになります。
しかし、ここでも注意が必要なのです。実際には親も同時に相続人になるケースが多いところ、この場合、親が代理することができなくなってしまいます。

たとえば父親が亡くなって母親と子供が相続人となる場合、母親が分の、子どもが分のずつ相続します。

子どもの取得分を増やせば親自身の取得分が減り、子どもの取得分を減らすことによって親の取得分を増やせます。このような状態を、「利害が対立している(利益相反)」といいます。利害が対立した状態で親が代理をしてしまっては、親が不正を働いて自分の分だけを増やし、子どもの利益を害するかもしれません。そこで、親がそのまま子どもの代理で遺産分割を進めることが許されなくなっています。

未成年 相続

なお未成年者が相続人になるケースであっても、親権者が同時に相続人になっていないケースでは問題はありません。

たとえば離婚して母親が親権者となった後に親権者ではない父親が死亡し、子どもが父親の遺産を相続する場合などです。この場合、母親は相続人にならないので母親と子供の利害が対立せず、母親自身が子どもの代理で遺産分割協議を進めることが認められます。

1-2 遺産を活用するには遺産分割協議が必要

親が子どもの代理で遺産分割協議を進められないからといって、親と子どもが相続人になる場合、未成年者が成人するまで遺産分割協議をせずに放置しておくのは良くありません。

なぜなら、遺産を活用するためには遺産分割協議を行ってきちんと遺産を分け合う必要があるからです。誰がどの遺産を取得するか決めないと、たとえば不動産の相続登記も預貯金の払い戻しも難しくなってしまいます。不動産を共有にすることはできますが、それでは効果的な活用は不可能です。

そこでやはり、未成年者を交えてきっちり遺産分割協議を行うべきです。次章でその方法をお教えします。

2章 未成年者の遺産分割協議では「特別代理人」が必要

親と子どもが相続人になっていて、親が未成年の代理を務められないケースでも、遺産分割協議を進める方法があります。以下でみていきましょう。

2-1 特別代理人とは

相続人の中に未成年者が含まれている場合には「特別代理人」を選任することにより、遺産分割協議を進めることができます。

特別代理人とは、未成年者と親との利害関係が対立するときに、特別に未成年者の代理人として遺産分割協議を行う人です。家庭裁判所で選任してもらいます。

未成年 相続 利益相反

2-2 未成年者が人以上いる場合

亡くなった人に子どもが複数いる場合には、その人に特別代理人が必要となります。子ども達人と親の利害が対立するからです。

2-3 特別代理人なしで親権者が押印した遺産分割協議書は無効

もしも親と子どもの利害が対立するにもかかわらず、特別代理人を選任しないで勝手に親権者が遺産分割協議を進めて署名押印しても、そのような遺産分割協議は無効です。その遺産分割協議書を使っては、不動産の相続登記も受け付けてくれませんし預貯金の払い戻しなどの手続きもできません。

そこで面倒でもきっちり特別代理人の選任を行いましょう。

3章 特別代理人の選任方法

3-1 申立の方法

特別代理人の選任をしてもらうときには、未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所で申立をします。
申立人となれるのは、親権者か利害関係人(親権者と未成年者以外の相続人など)です。
費用として、子ども人について収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手が必要です。

必要書類は、以下の通りです。

  • 特別代理人選任申立書
  • 未成年者の戸籍謄本
  • 親権者(または未成年後見人)の戸籍謄本
  • 特別代理人候補者の住民票か戸籍の附票
  • 遺産分割協議書案
  • 利害関係を示す資料(利害関係人が申し立てる場合)

これらを作成して提出すれば、裁判所で審判をして特別代理人を選任してもらえます。

3-2 特別代理人の候補者について

特別代理人の選任申立をするときには、候補者を立てることも可能です。候補者は、利害関係をもたない親族から選ぶことが多いです。申立の際にその人の住民票もつけて裁判所に希望を伝えましょう。

3-3 遺産分割協議書の内容について

特別代理人を選任する場合には、遺産分割協議書案をつけて提出する必要があります。基本的には未成年者が害されないように、法定相続分通りに分ける内容としますが、事情によっては親権者が全部取得することなども可能です。

たとえば相続財産が自宅不動産のみで、配偶者と子どもが分け合うと自宅不動産を自由に活用できなくなって不都合がある場合などです。ケースに応じた対応が必要なので、遺産分割協議書の内容について迷ったときには専門家からアドバイスを受けた方が安心です。

3-4 特別代理人を交えた遺産分割協議の進め方

特別代理人が選任されたら、予め裁判所の了承を得ていた遺産分割協議書に親と特別代理人が署名押印します。そうすれば有効な遺産分割協議書ができあがり、未成年者本人の署名押印は不要です。

その後はその遺産分割協議書を使って不動産の相続登記や預貯金の払い戻しなどの各種の手続きを進めていくことが可能となります。
なお、遺産分割協議書には「実印」を使って押印する必要があります。

4章 相続後の遺産は親権者が管理できる

以上のように遺産分割協議の段階では、親が子どもの代理人として手続を進めることはできません。それであれば、「遺産相続した後の子どもの財産についても、親が管理することはできないのか?」と不安になってしまう方がおられます。

しかし、そのような心配は不要です。

親権者である親は、子どもの財産を管理する権利を持っているからです。遺産分割によって子どもの財産が確定すれば、その後は親が管理しても利益相反にはなりません。

もちろん親が自分のために使い込むのは認められませんが、きちんと適正に管理するのであれば何の問題もありません。
特別代理人が必要なのはあくまで遺産分割協議のためであり、その後の財産管理は親が単独でできるので、安心しましょう。

5章 未成年者が相続放棄する場合

次に、亡くなった人が借金を残しているなどの事情で未成年の相続人が相続放棄する事例を検討しましょう。この場合、未成年者の親権者が相続をするのか相続放棄するのかによって、対処方法が異なってきます。

5-1 親権者も相続しない場合

まず、未成年者も親もどっちも相続放棄して、相続人にならない場合をみてみましょう。この場合には、子どもが相続放棄することによって親の相続分が増えるわけではないので、親と子どもの利益が対立しません。

そこで特別代理人は不要であり、親自身が法定代理人として相続放棄できます。

5-2 親権者は相続する場合

次に、親権者は相続するケースを考えてみましょう。たとえば、夫が借金と負債を残して死亡したときに、妻は全部相続し、子どもには相続放棄させようとする場合などです。

この場合には、子どもが相続放棄することによって妻の相続分が増えるので、子どもと妻の利益が対立します。そこで、妻自身が子どもの代理で相続放棄できず、特別代理人を選任する必要があります。

6章 成人するまで遺産分割を待つのは得策ではない

このように、子どもが未成年の間に遺産分割を進めようとすると、家庭裁判所で特別代理人の選任が必要になったりして手間がかかります。
それであれば、「子どもが成人するまで待ち、子ども自身に遺産分割協議をさせれば良いのでは?」と考える方がおられます。

しかしこのような方法は不都合です。
遺産分割協議を行わないと、相続した遺産の活用が一切できないからです。

たとえば不動産がある場合にも、きちんと相続手続きをしないと賃貸や売却などの処分が難しくなりますし、抵当にいれてお金を借りることも困難です。
預貯金も払い戻しができず預けたままになってしまいますし、株式などの名義も被相続人のままです。

さらに相続税申告の際に配偶者控除や小規模宅地の特例などの有利な減税制度を適用することも難しくなってしまいます。
「子どもが19歳であと数ヶ月したら成人する」ケースなどであれば「待つ」という選択も考えられますが、そのような場合でもなければ、早めに特別代理人を選任して遺産分割協議を行うべきと言えます。

7章 相続税の未成年控除を利用できる

未成年者が相続人になるときには「相続税の未成年者控除」を利用できることを知っておきましょう。

つまり相続税を安くすることができるのです。具体的には相続人の中に20歳未満の未成年者がいる場合、その未成年者が20歳になるまでの年数について1年あたり10万円を控除できます。このとき、年未満の期間は切り上げて年として計算できます。

たとえばか月の子どもがいる場合には、11×10万円=110万円分、相続税を控除してもらえます。
相続税計算の際に有利になりますので、是非とも適用しましょう。

まとめ

相続人の中に未成年者がいると、手続きがややこしくなるので身構えてしまう方も多いです。しかしおそれる必要はありません。放置する不利益の方が大きいので、早めに遺産分割協議を終わらせましょう。

もしもわからないことがあったら、専門家に相談してみてください。

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