財産分与してもらおう!不動産の名義変更を離婚時に行う重要ポイント

財産分与 不動産

離婚をすることが決まると今後について考えることは色々ありますが、なかでも「家(不動産)はどうなるのかな」ということは特に気になりますよね。

不動産は婚姻中の買い物で一番大きな買い物とも言えるでしょう。

離婚後の住処として、いざというときの財産として自分がもらっておきたいと思う人も多いはずです。
特に、離婚後は子供を引き取る予定の女性の場合は「子供の生活環境を変えたくない」「今後子供にかかるお金のこと」などを考えると、なんとしても家は欲しいと思うでしょう。

家を完全に自分のものにしようと思うのであれば、欠かせないのは「不動産の名義変更」です。
相手の単独名義になっていたり、共有名義になっているものを自分名義に変更する手続きが必要になります。

しかし、離婚をする前提で家を購入しているわけではないので、どのような段取りを踏んで、どのような手続きをしたら不動産の名義変更を円滑に行えるかわからないし、注意すべきポイントがあるのなら、そこもおさえておきたいものです。

今回は、離婚に伴う財産分与で不動産名義を自分に移すための重要ポイントについてまとめました。

1章 離婚の際の不動産名義変更には財産分与を利用しよう!

離婚に際して不動産名義の変更をするには、まずは財産分与協議を行う必要があります。

財産分与協議では、離婚する2人が結婚生活の中で築いた共有財産をどのように分けていくかなどを取り決めます。その共有財産にはもちろん不動産も含まれるので、よく話し合いましょう。

財産分与協議によって相手が不動産名義変更に同意したら、「第一段クリア」といったところです。
実際、この協議だけで不動産の権利は取得できるのですが、これだけでは「口約束」に過ぎず、あとで言った言わないの争いが起きることは想像に難くありません。したがって、重要なのは、速やかに法務局の登記簿の名義を自分に移しておくことです。

「名義を自分に移す」という次のステップに進むためには、財産分与協議の内容をしっかりと書面に起こし、内容を相手と確認した上で捺印をもらうようにしましょう。

この書面はなるべく、公証役場において公正証書でつくることをおすすめします。後々の紛争を防ぐことができるからです。公正証書にできない場合には、少なくともそれぞれの実印で捺印するようにしましょう。

2章 離婚時の不動産名義変更の手続きと費用、そして必要書類

不動産の名義変更をするには、不動産の所在を管轄する法務局へ「所有権移転登記の申請」をすることになります。

繰り返しますが、「財産分与協議で相手が名義変更に同意した」というだけでは名義変更を完結したことにはならないので注意してください。

一刻も早く手続きをしたいと思うかもしれませんが、申請に際して「費用はどれくらいかかるのか」「どういった書類が必要なのか」ということはご存知でしょうか?

ここでは、不動産名義の変更に必要な費用や必要書類についてお伝えしてきます。

・不動産の名義変更にかかる費用「登録免許税+必要書類の発行費用+司法書士への報酬」

所有権移転登記をするには「登録免許税」というものがかかります。

登録免許税の額は固定資産評価額が基準になり、財産分与の場合は名義が変わる不動産の評価額に「1000分の20」(2%)の税率をかけて計算します。

例えば、評価額が2000万円の住宅なら40万円の登録免許税が必要です。

ちなみに、この登録免許税は登記申請をする際に「収入印紙」で法務局に納めます。

そして後でもご紹介しますが、登記申請の添付書類である印鑑証明書や住民票、固定資産評価証明書の「発行費用」がかかることも忘れてはいけません。

市役所によって発行費用は少し異なりますが、印鑑証明書や住民票は300円ほど、固定資産評価証明書は土地1筆、家屋1棟ごとに1通300円ほどであることが多いです。

また、手続きを司法書士に依頼した場合は「司法書士への報酬」も考慮しなければいけません。
不動産の価値にもよりますが、報酬の目安としては7万円~15万円です。
報酬は司法書士事務所によって異なりますので、依頼する前によく確認しておきましょう。

・必要書類は7種類!早めに集めておきましょう

所有権移転登記に必要な書類は次のとおりです。

  • ①所有権移転の「登記申請書」
  • ②不動産の「登記済証」または「登記識別情報」などいわゆる「権利証」
  • ③「離婚協議書」や「財産分与協議書」などの登記する理由を証明する書面
  • ④現在の所有者(登記義務者)の「発行から3ヶ月以内の印鑑証明書」
  • ⑤所有権移転を受ける人(登記権利者)の「住民票」
  • ⑥不動産の「固定資産評価証明書」
  • ⑦相手方から「自分に対する委任状」(実印必須)
  • ⑧司法書士に依頼する場合は「司法書士への委任状」
    ※司法書士へ依頼する場合は、②、④、⑤、⑥のみ準備することになります。
     ③については、自身で準備するか、司法書士に作成してもらうことになります。

の登記申請書は、「登記の目的(所有権移転)」「原因(財産分与)」「権利者」「義務者」「添付情報」「申請日」「課税価格」「登録免許税」「不動産の表示」などを記載します。A4サイズの紙に横書きで作成されることがほとんどです。

の「登記済証」または「登記識別情報」はとても重要な書類です。
登記識別情報は、不動産登記法の改定によって従来の「登記済証」の代わりに導入された12桁の番号(情報)が記載された紙のことです。発行された当初は番号に目隠しシールが貼られています。
登記申請の際には登記済証、または登記識別情報に記載されている12桁の番号が必要になります。

は、正式には「登記原因証明情報」と言います。
今回の登記の原因となった事実や法律行為について証明されている書類がこれに該当し、離婚による財産分与の場合は「離婚協議書」や「財産分与協議書」が登記原因証明情報になります。

④~⑥は市役所で入手することができます。
費用のお話のところでも触れましたが、これらには発行費用がかかるので気を付けましょう。

は必須の書面ではありませんが、もらっておいた方が無難な書類です。

は、司法書士に依頼している場合に必要になります。個人でも手続きするときは必要ありません。

注意事項ですが、あとから相手方が嫌がらせで登記申請に協力しなくなる可能性があるので、「②権利証、③登記原因証明情報、④印鑑証明書、⑦相手からの委任状」の4点については、協力的なうちに受け取っておくことが重要となります。これは非常に大切なことなので、改めて後述しております。

3章 【離婚時の財産分与】不動産名義変更でおさえておくべき5つのポイント

前の章では、不動産名義変更の手続きや費用、必要書類についてご紹介をしました。
「登録免許税はなかなか高額だな」「必要書類は結構あるな」という事がお分かりいただけたことかと思います。
そしてここでは、費用や必要書類のほかにも知っておきたい不動産名義変更でおさえておくべきポイントについてお伝えしておこうと思います。

①まずは不動産の調査をしよう

まずは、財産分与をしようとしている不動産についてよく調査しておく必要があります。法務局で財産分与のしようとしている不動産の全部事項証明書(登記簿謄本)を発行してもらいましょう。

最初に確認しておきたいのが、「名義を変更しようとしている不動産はそもそも財産分与の対象になるか」ということです。例えば、不動産の名義が相手の父だった…なんてことになれば財産分与の対象にはなりません。これまで住んでいた家を今後の住処としてアテにしていたのに、土壇場で「財産分与の対象ではない」とされたら路頭に迷ってしまいます。

また、ローンで不動産を購入している場合はローンについてもよく確認しておきましょう。ローンの名義人の状況などによっては財産分与に差し支えることがあります。詳しくは②でお伝えします。

②住宅ローンが残っていると財産分与できないことがある

財産分与しようとしている不動産に住宅ローンが残っていると、場合によっては財産分与ができないことがあります。

名義の変更自体は銀行に関係なくできてしまいますが、ローンが残っているうちに勝手に名義を書き換えてしまうと、ローン契約違反となり、一括弁済を迫られるおそれがあるからです。

したがって、残ローンのある不動産を財産分与するときは、実質的に銀行の承諾が必要になります。

ローンの契約内容や残高などによりますが、銀行側に不利な方向になる名義変更は承諾を得にくいことがあります。例えば「夫婦で連帯していたローン名義がどちらか1名になってしまう」や「夫名義のローンを妻に変更する」などは銀行の同意を得るのは困難です。ローン名義が共同の場合、「夫婦の収入を合算したものを基本にしてローンを組んだ」という前提があるので、それが崩れるということは銀行にとってはデメリットになるからです。また、後者の場合は妻に安定した経済力があると認められない限り、銀行サイドは首をたてに振らないでしょう。

一番いいのは「ローンの残債を一括返済してから不動産の名義変更をする」ということなのですが、なかなか難しいですよね。

③夫婦共有のまま残してはいけない

「相手は自分に所有権を譲るって言ってるんだし、もう登記はそのままでいいかな…費用もったいないし」「手続きしなくても、これまでどおり住めるのであれば問題ない」と考える人もいるでしょうが、名義変更は必ずするようにしておきましょう。

もし、登記を共有のままにしておくと、数年経って家を売却しようとしても「共有者の同意が必要」と言われて売却できなかったり、相手が再婚して子供が出来た場合に、相手の持ち分についての相続などが発生してややこしくなってくることがあります。

また、ローン名義も同様です。例えば、1つの家に対し夫婦が個々でローンを組むような「ペアローン」を組んでいた場合。結婚しているうちは、家を守るためにお互い頑張って働いてローンを返済していくことでしょう。しかし、離婚することになってどちらか片方が家に住むなんてことになったら、家を出て行く方は

「自分は住んでいないのに、なんで支払わないといけないんだ」
「家に残るヤツが全額払えばいいんだ」

と思いはじめることも…
そうなると出て行った方は支払いが滞りがちになり、それが続くと下手したら競売にかけられる可能性だって十分にあります。
そうならないためにも、どちらが家をもらうか決まったらペアローンをそのままにしないように銀行も交え話し合う必要があります。

④書類は先に確保しておこう

不動産の名義変更に必要な書類は事前に確保するようにしましょう。これはかなり大切なことなので、よく覚えておいてください。

名義を変更する際に、相手からは印鑑証明書や登記済証または登記識別情報などの重要な書類を提出してもらわないといけません。それなのに、話し合いの途中で相手が心変わりして登記に協力的でなくなってしまったり、最悪の場合は勝手に不動産を売却されてしまったり…そうなると名義変更の登記手続きを進めることができません。

名義変更の話し合いを進める前に、まずは不動産に関する全ての書類をまとめて管理しておくようにしましょう。そうすることによって最悪の事態は免れることはできます。

⑤すぐに名義変更の登記ができるよう登録免許税を用意しておこう

書類がそろったらすぐにでも不動産の名義変更の登記を申請するようにしましょう。

というのも、不動産の名義変更に必要な「現在の所有者の印鑑証明書」は3ヶ月の期限がありますので、事前に書類を確保していたとしても発行から3ヶ月を過ぎると印鑑証明書を再発行してもらわなければならないからです。

再発行に協力してもらえない場合には、名義変更の登記申請ができなくなってしまうため、書類がそろったらすぐにでも名義変更の登記申請をしましょう。そのためにも、財産分与を受ける不動産の固定資産評価額の2%の登録免許税を用意しておきましょう。

4章 離婚時の不動産名義変更での失敗事例

別れると決めたら、一刻も早く離婚したいという人はたくさんいると思います。しかし、あまり離婚の手続きを急いでしまうと、大事なことが抜け落ちてしまうことがあります。

「とにかく離婚!」と不動産名義変更がおろそかになっていたり、財産分与の話し合いまではしっかりしたのに、その後の手続きがうまく進まなかったりとトラブルが後を絶ちません。

ここでは、ネットで相談されていた実際にあった「離婚時の不動産名義変更での失敗事例」をちょっとだけご紹介します。

・名義変更しないまま離婚して月日が流れ…連絡がつかない共有者

(引用元URL:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1193600311?__ysp=6Zui5amaIOWutiAg5ZCN576pIOWksei4qg%3D%3D

夫婦がペアで住宅ローンを組み、不動産を共有したまま離婚したケースです。
離婚時に不動産名義変更を済ませておらず、そのまま数年間放置してしまったようです。
共有名義人である元妻とは連絡がとれないが夫の単独名義に出来ないかとお困りのようですが、こうなってしまうとスムーズに不動産名義変更をすることは難しいです。

離婚が決まり、財産分与をしたら速やかに書類を集めて名義変更の登記を終わらすべきでした。

・話し合いはついているのに、名義変更の手続きに非協力的な相手方

(引用元URL:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12171176257?__ysp=6Zui5amaIOWutiAg5ZCN576pIOWFseaciQ%3D%3D

離婚の際、夫から不動産の財産分与を受ける協議はできていたのに、夫が名義変更に協力してくれない。

名義変更するための所有権移転の約束をしておきながら、それがいくら言っても協力してもらえないようであるのなら「名義変更を請求する裁判」を起こすことになります。しかしそのためには更に労力や時間、そして費用がかかることになり、とても大変です。

このような事態を避けるには、所有権移転に必要な書類の提供や書類への記名、押印などの協力を離婚する条件として提示すべきでした。

5章 まとめ

離婚は心身共に負担の大きい出来事です。精神的に参っている中で不動産名義の変更手続きをするのはとてもツラいものがあります…
しかし、後々トラブルになることがあるので名義変更は確実に終わらせておきましょう。

財産分与で不動産名義変更をするときは、以下の4点が大事です。

重要点その1 話し合いだけでなく「所有権移転登記」が必要

重要点その2 不動産名義変更で必要となる登録免許税は高額である。事前にかかる費用を調べておく必要がある

重要点その3 不動産名義変更には必要書類が多々ある。早めに相手からの書類提供を受けるようにする

重要点その4 不動産の事前調査はよくしておく。特にローンはよくチェックしておく

もし、「とても自分1人では解決できない…」「忙しくて、名義変更の手続きが思うようにできない」と感じたときは司法書士に相談しましょう。

相続に関して以下の様なお悩みを抱えてはいませんか?

  • 相続手続きといっても何から始めればいいのかわからない…
  • 家や土地、預貯金などの名義変更が必要だけど書類集め・手続きなど大変…
  • 遺言書を作成しようと思っているが、専門家の意見を聞いておきたい…
  • 認知症対策や生前対策したいけど、成年後見、家族信託、生前贈与どれがいいんだろう…
  • 故人に借金が見つかったので、相続放棄の手続きを専門家に任せたい…

相続に関する問題は法律に沿って丁寧かつスピーディーに対処しないと

  • 余計な時間と手間がかかり、本来払わなくてもいい税金まで払うことに
  • 本来仲のよかった兄弟の関係が相続を機に壊れてしまった
  • 負債も相続すると知らずに多額の親の借金を相続してしまう

など取り返しのつかないケースになる事も非常によくあるのです。

グリーン司法書士では相続に関する悩みや疑問をしっかりとお聞きし、 理想の相続実現をサポートします。

グリーン司法書士の強み

  • 1,過去5年間の相続相談実績は約5000件!日本有数の実績で安心して任せられる。
  • 2,サポート内容の広さと相談窓口の一元化を実現!独自のネットワークでどこよりも早い迅速対応!
  • 3, 蓄積されたノウハウを元に相談者一人一人にあった提案が可能!

お電話または下記よりお問い合わせいただければ、無料で直接ご相談をいただけます。 相続に関して少しでも不安や疑問があればお気軽にお問い合わせください。

  • 相続手続きといっても何から始めればいいのかわからない
  • しっかりとした遺言書を作成したい
  • 認知症生前対策をしておきたいけどよくわからない

グリーン司法書士では相続に関する悩みや疑問をしっかりとお聞きし、理想の相続実現をサポートします。

グリーン司法書士の強み

  • 1,過去5年間の相続相談実績は約5000件!日本有数の実績で安心して任せられる。
  • 2,サポート内容の広さと相談窓口の一元化を実現!独自のネットワークでどこよりも早い迅速対応!
  • 3, 蓄積されたノウハウを元に相談者一人一人にあった提案が可能!

相続に関して少しでも不安や疑問があればお気軽にお問い合わせください。

受付時間 9:00-20:00(土日10:00〜17:00)

※「記事をみた」とお伝えください。